米IDCが現地時間2013年9月4日に公表した市場推計によると、同年1年間における世界の携帯電話出荷台数は前年比7.3%増の約18億台となり、ほぼ横ばい(前年比1.2%増)で推移した2012年から急速に回復する見通し。市場は今後も成長を続け、2017年には約23億台が出荷されるとIDCは見ている。

 2013年の上半期は、新興国市場や低価格スマートフォンといった分野が好調で、予想を上回る速さで成長した。2013年のスマートフォンの出荷台数は前年比40.0%増となり、初めて10億台を超えるとIDCは予測している。スマートフォンの出荷台数が伸びているのには様々な要因があるが、とりわけ成熟市場で携帯電話キャリアによる端末負担金の軽減策が功を奏している。また200ドルを切る低価格端末の製品種が増えていることも市場成長の要因だという。

 IDCが予測する、2013年におけるスマートフォンのOS別シェアは、Androidが75.3%、iOSが16.9%、Windows Phoneが3.9%。BlackBerry OSが2.7%。Android端末の市場は韓国Samsung Electronicsによってけん引されているが、韓国LG Electronicsやソニーモバイルコミュニケーションズも市場の成長に寄与しているという。

 iOSについては、噂されている廉価版のiPhoneが登場し、China Mobile(中国移動)との提携が決まれば、新興国市場におけるシェア拡大の後押しになるとIDCは見ている。またWindows Phoneはわずかながらもシェアを伸ばし、第3位のOSとしての地位を固めるという。ただしフィンランドNokiaの携帯電話事業の買収が成立すれば、同OSの採用メーカーが減っていく。そのためMicrosoftは自力でシェア拡大を図る必要ある。BlackBerryのシェアは市場競争の激化に伴い、アフリカ、中南米、中東など同社が強みを持つ地域で低下するとIDCは予測している。

[発表資料へ]