写真1 実証実験参加後アンケートを記入する地域住人
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写真2 JR釜石駅近くにある商業施設「シープラザ釜石」
写真2 JR釜石駅近くにある商業施設「シープラザ釜石」
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写真3 実証実験で設置した携帯3社の無線LANアクセスポイント
写真3 実証実験で設置した携帯3社の無線LANアクセスポイント
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写真4 災害時用SSID「JAPAN」に接続する
写真4 災害時用SSID「JAPAN」に接続する
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写真5 タブレットを使って災害時用SSIDに接続する地域住人
写真5 タブレットを使って災害時用SSIDに接続する地域住人
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写真6 実証実験に参加したローソン釜石駅前店
写真6 実証実験に参加したローソン釜石駅前店
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写真7 ローソンで無線LANに接続すると表示される災害用ポータルサイト
写真7 ローソンで無線LANに接続すると表示される災害用ポータルサイト
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 公衆無線LANサービス事業者の業界団体である無線LANサービス推進連絡会は2013年9月1日、岩手県釜石市と宮城県仙台市で、災害時におけるサービス無料開放実験を実施した。災害時用SSIDを付与した無料の無線LAN接続サービスを、同日限定で地域住人などに提供。その使い勝手についてアンケートをとった(写真1)。

 この実証実験は、通常は契約者だけが利用できる無線LAN接続サービスを、災害時には無料で開放することを目指して実施された。単に無料で提供するのではなく、災害時専用のSSIDを設ける。これにより、ひと目で無料で使える災害時用サービスであることが分かる。

 災害時用SSIDで無料サービスが提供されたのは、JR釜石駅近くにある商業施設「シープラザ釜石」(写真2)と、ローソンの釜石駅前店と仙台市内の38店舗。

 シープラザ釜石では、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルが無線LANアクセスポイントを設置した(写真3)。この携帯3社は、携帯電話契約者向けに無線LAN接続サービスを独自のSSIDで提供している。今回の実証実験ではそれに加えて、3社ともに災害時用のSSIDとして「JAPAN」でも無線LAN接続サービスに接続できるよう設定。スマートフォンやタブレット、パソコンなどの無線LAN設定でJAPANを選べば、契約者でなくてもインターネットに接続できることを確認した(写真4)。1社の無線LANアクセスポイントが停止してしまった場合に、ほかのアクセスポイントを経由してインターネットに接続できることも検証した。

 実験に参加した市内在住の女性は、「タブレットは自宅の中だけでしか使えないものだと思っていた。災害時にどこでもこのように無線LANが使えると助かる」と話す(写真5)。

 ローソン各店舗では、無線LAN接続に加えて、災害用ポータルサイトの使い勝手についても検証した(写真6)。店内に設置済みのアクセスポイントに「JAPAN」のSSIDを設定。利用者がJAPANのSSIDで無線LANに接続し、Webブラウザーを起動すると、災害用ポータルサイトが表示される仕組みである(写真7)。災害用ポータルサイトには、災害用伝言版や、内閣府の自治体防災情報のWebサイト、地震や津波の情報など掲載するWebサイトなどへのリンクが表示される。

 無線LANサービス推進連絡会は、実証実験で集めたアンケート内容を分析し、災害時における無線LAN接続サービスのあり方や、災害対応のガイドラインについて議論する。