写真1●Raspberry Piを使ったミュージックサーバーを作る勉強会の様子
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写真2●工作したUSB DACキット。実際には、コンデンサーをオーディオ用にアップグレードして製作した
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写真3●一心不乱に作業中
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写真4●実際に音が鳴ったUSB DACを手に得意げな谷相 貴美さん
写真4●実際に音が鳴ったUSB DACを手に得意げな谷相 貴美さん
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写真5●ハンダ付けが綺麗にできた。後ろに見えるのがRaspberry Pi。USBメモリーに入れた音楽データを鳴らしている
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 「おっ、ちゃんと音が鳴った!」

 OSSコンソーシアム組込み部会女子部と日経Linuxは2013年8月31日、35ドルPCの「Raspberry Pi」でミュージックサーバーを作るハンズオン勉強会を開催した(写真1)。Raspberry Piに外付けして、音楽を高音質で鳴らせる「USB DAC(Digital Analog Converter)」をハンダごてで自作する内容だ。女性限定のイベントで、参加した7人ともきっちり音楽を鳴らすことができた。

 講師は、組み込み歴20年以上のベテランである今村博宣氏。同氏が執筆した日経Linux 2013年9月号の特集「お手軽ボードでモノ作り入門」の記事に沿って、ハンダ付けを実際にやってみようという企画だった。

 組み上げたのは、秋月電気通商のUSB DACキット(1700円、写真2)。基板に、抵抗4本とコンデンサー8個、ステレオにつなぐピンジャックをハンダ付けすれば完成というものだ。しかし、ほとんどの参加者はハンダづけが初心者の状態。講師の今村氏にやさしく教わりながら進めた(写真3)。

 初心者がうまくハンダ付けするためのコツは、部品のリード線を基板に挿して、裏側に出た部分を1~2mmほど残して、先にニッパーで切ってしまうこと。その後、部品のリード線と基板上のパターンの両方にハンダごてを当てて、3秒ほど暖めてからハンダを溶かして流し込む(今村氏のブログ参照)。リード線を先に切っておくことで、暖まりやすくなるそうだ(慣れてくればハンダ付けをすべて終えてから、まとめてリード線を切った方が作業効率は高い)。

 こうして進めた作業も後半になると「皆さんのハンダごてを持つ手つきがすっかり変わった」(今村氏)。慣れてきて作業もはかどり、皆無事に完成させることができた。

 後は、実際にRaspberry Piにつないで、音が鳴るかどうかをチェックした。Raspberry Piには、音楽サーバー専用のLinuxディストリビューション「Raspyfi」をセット済み。作ったUSB DACをRaspberry PiにUSBケーブルでつなぎ、ステレオにピンケーブルで接続するだけで完成だ(写真4写真5)。

 電子工作には記者も参加し、高校の授業以来、およそ30年振りにハンダごてを握った。無事完成させて実際に音が鳴ったときは、かなり感動した。独りで電子工作を始めるのは少しハードルが高い面があるが、こうしたイベントに参加すれば良いきっかけになる。