写真●「パーソナルデータに関する検討会」の第1回会合
写真●「パーソナルデータに関する検討会」の第1回会合
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 政府のIT総合戦略本部は2013年9月2日、「パーソナルデータに関する検討会」を開催し、座長に堀部政男・一橋大学名誉教授を選出した。席上で出席委員からの「現行の個人情報保護法の改正に踏み込むのか」という質問に答える形で、内閣官房IT総合戦略室副室長(副政府CIO)の向井治紀内閣審議官は「個人情報保護法はいじらないというようなことをあらかじめ念頭に置くことはせずに、当然必要ならばあらゆる法律を改正する意気込みでやっていきたい」と述べた。

 検討会の委員に選ばれたのは、金丸恭文フューチャーアーキテクト会長兼社長、新保史生・慶応義塾大学総合政策学部教授、鈴木正朝・新潟大学法科大学院教授、森亮二弁護士ら15人。第1回会合となった今回は、山本一太IT政策担当大臣や遠藤紘一政府CIOらが出席した。事務局は内閣官房の情報通信技術(IT)総合戦略室担当室、総務省の情報流通行政局情報流通振興課、経済産業省の商務情報政策局情報経済課が担う。

 検討会の開催で挨拶に立った山本大臣は「プライバシーの取り扱い、パーソナルデータの利活用ルールの順守を監視・監督するような第三者機関の設置など、法的な措置が必要になる項目も出ると考えている。これらについては論点を頂いて、年内に制度を見直しする方針という形でとりまとめて頂きたい」と語った。

 検討会は2013年10月の第2、第3回で事務局案の論点を議論し、同年11月の第4回で制度見直し方針や個人情報の本人同意取得手続きの標準化などの事務局案の了解を予定している。それまでに技術検討ワーキンググループ(仮称)で匿名化技術に関する議論を行い、ワーキンググループ整理案を第3回会合で報告する予定としている。同年12月の第5回で制度見直し方針などのとりまとめを行う予定。