富士通エフサスは2013年8月30日、サポートが切れるWindows XPのセキュリティー対策として、現状よりも安全なクライアント環境へと移行するSIサービス「Windows XP移行支援サービス」の提供を開始した。大きく3つの移行方法を用意している。料金は個別見積もりだが、売上目標は、2013年12月までに、社員100人以上の会社を対象の案件100件で20億円(1件当たりの平均は2000万円)という。

 同サービスは3つの方法でクライアント環境を移行する。具体的には、(1)セキュリティソフトでWindows XPの危険度を軽減する「セキュリティ対策サービス」、(2)OSをWindows 7/8に移行する「OS移行サービス」、(3)デスクトップ仮想化システムを構築する「仮想化サービス」――である。

 (1)は、Windows XPを使い続けながら、FFRIの標的型攻撃対策ソフト「FFR yarai」を個々のパソコンに導入することによって、OSやアプリケーションの脆弱性を狙った未知のマルウエアによる攻撃をブロックする。より安全な移行方法を採用する前のつなぎとして利用できる。FFRIでは、FFR Yaraiの動作環境としてWindows XPを2017年12月31日までサポートする。

 (2)は、ツール「VMware Horizon Mirage」を用いて、Windows XPパソコンのOSをWindows 7/8パソコンに移行する。同ツールは、ユーザーデータをサーバー側で集中的にバックアップ管理するツールであり、パソコン台数が多いケースにおけるパソコン(OS)の移行作業に役立つ。

 (3)は、「VMware Horizon View」や「Citrix XenDesktop」などのデスクトップ仮想化ソフトを用いて、デスクトップ仮想化システムを構築する。データセンター(マシン室)側に仮想マシン(仮想デスクトップ)を用意し、これをシンクライアントソフトを介してリモート操作する。

 SIサービスに当たっては、移行の相談から、アプリケーションが移行先で動作するかどうかの事前検証などを経て、実際の移行作業を実施する。富士通エフサスでは、移行前のコンサルティングや仮想化システムの構築に、同社のノウハウが蓄積されているとアピールする。同社が手がけた、約4000社の顧客(稼動台数で約60万台)のWindows XP移行パターンを分析し、ノウハウを体系化したとしている。