米IDCが現地時間2013年8月29日に公表したパソコン市場に関する調査によると、2013年の世界における出荷台数は前年比9.7%減の3億1540万台となる見通し。モバイル端末の選択肢が広がっているほか、新興国市場で成長が止まったことが要因としている。世界のパソコン出荷台数は今後1年以上前年割れが続き、緩やかな回復が見られるのは2015年以降という。ただし、ピークだった2011年の水準に戻ることはないとしている

 IDCは、今年3月に公表した予測で2013年の出荷台数が前年比1.3%減になると見ていた。また5月に公表した予測では同7.8%減としていた(関連記事)。今回さらに下方修正したのは、引き続き需要が低迷していることに加え、新興国市場の落ち込みペースが初めて先進国のそれを上回る兆しがあるからだと説明している。

 IDCによると、先進国市場では2012年の出荷台数が前年比7.2%減だった。これが2013年は9.4%減になる見通し。これに対し新興国市場では2012年が同1.6%減。2013年は同9.8%減と同社は予測している。

 同社のシニアリサーチアナリストJay Chou氏は、「マイクロプロセッサの低消費電力化など、ハードウエアの性能向上が楽観的な材料になる。またWindows 8.1は、これまで指摘されていたような問題を解決するだろう」と述べている。だが「世界の全地域で広がっている利用形態の変化に今のパソコンは対応できていない」(同氏)という。同氏によると手頃な価格と性能がタブレット端末をより魅力的なものにしているという。

 同社の予測では2014年の出荷台数は前年比2.0%減だが、2015年は同1.0%増と、プラスに転じる。しかしその後の2017年でも同1.2%増と伸び率は低い水準のままだという。

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