写真1●VSANのアーキテクチャ
写真1●VSANのアーキテクチャ
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 米ヴイエムウェアは、ストレージ仮想化のためのソフトウエア「VMware Virtual SAN(VSAN)」を、2013年8月26日(現地時間)から米国サンフランシスコで開催中のイベント「VMworld 2013」で発表した。PCサーバーなど複数のサーバーの内蔵ディスクを束ねることで、一つの大規模な仮想ストレージを安価に構成できる(写真1)。近日中にパブリックベータでの配布を開始する。

 VSANは、vSphereのカーネルと統合されており、管理ツールの「vSphere Web Client」上で設定をオンにすると利用できる。vSphereが動作するPCサーバーなどを複数台、VSANに参加させることで一つのデータストアを形成する。各サーバーはストレージ専用である必要はなく、VMを稼働させるためのサーバーで構わない。直接接続のストレージ(DAS)を流用することで、ミッドレンジクラス相当の専用ストレージ装置を代替することを狙う。VDI(仮想デスクトップ)やテスト・検証、リモートサイトでのレプリケーションといった用途を想定する。

 VSANでは、データストアを構成する各サーバーに、HDDおよび最低1台のSSDが必要である。SSDが必須なのは、IO性能を確保するためだ。VSANでは、すべての書き込み処理は一度、SSDにバッファリングされ、その後、HDDに書き込まれる。また、読み出しについてもSSDをキャッシュとして利用する。デフォルトでは、SSDの30%を書き込み用に、70%を読み出し用に用いる。

 VSANを構成するサーバーは最低3台が必要である。最大台数は、パブリックベータの段階では8台までだが、製品版では増大させる見込み。サーバー台数は随時、動的にスケールアウトさせることができる。VSANを構成するネットワークは、1GビットEthernetでも可能だが、ヴイエムウェアでは10GビットEthernetを推奨している。