写真1●BIG-IP 800の外観
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写真2●BIG-IP 800の意義を説明するシニアソリューションマーケティングマネージャの帆士敏博氏
写真2●BIG-IP 800の意義を説明するシニアソリューションマーケティングマネージャの帆士敏博氏
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 F5ネットワークスジャパンは2013年8月29日、負荷分散装置「BIG-IP」(関連記事)のラインアップを拡張し、定価138万円(税別、以下同)のエントリーモデル「BIG-IP 800」(写真)を発表した。既存の最安価モデル(299万円)と比べて大幅に価格を下げたことによって、これまでBIG-IPを選択肢から除外していた中小企業でも導入しやすくなった。9月から出荷する。

 これまで最安価だったモデル(BIG-IP 2000s)と比べた違いは、処理性能や機能を低く抑えていること。性能面では、基本性能を低く抑えたほか、ライセンスアップグレードによる処理性能の向上(上位モデルへのスケールアップ)が利用できない。機能面では、各種の機能モジュール(ファイアウォールとして使うためのモジュールなど)を追加することができない。

 BIG-IP 800の主なスペックは、以下の通り。レイヤー4までの情報に基づいて負荷分散する場合のHTTPの最大リクエスト/秒(RPS)は17万5000RPS。レイヤー7までの情報で負荷分散する場合のHTTPの最大RPSは10万RPS。最大コネクション確立数は6万コネクション/秒(CPS)。SSL同時接続数は500トランザクション/秒(TPS)。ネットワークポートは、1Gビット/秒×6個。

 これに対してBIG-IP 2000sは、レイヤー7までの情報に基づいて負荷分散する場合のHTTPが21万2000RPS、コネクション確立数が7万5000CPS、SSL同時接続数が2000TPS、などである。

 BIG-IP 800は、日本国内向けの製品であり、これまでBIG-IPがカバーしていなかった低価格帯の市場に対して新規に参入した形となる。BIG-IPの基本機能(OSなど)を継承しながら、低価格帯において競争力のある価格設定にしている。「メンテナンス時に最後のセッションが終了した後にサーバーを切り離すことでセッションロスを防げる」(同社)など、機能面での優位性も強調する。