米Yahoo!が、画像認識技術を手がける米国の新興企業、IQ Enginesを買収した。IQ Enginesが、自社のWebサイトで明らかにした。今後同社は、Yahoo!の写真共有サービス「Flickr」のチームに加わる。すでにIQ Enginesのサービスは新規登録を終了しており、30日後にAPIの利用もできなくなるとしている。

 IQ Enginesの創業は2008年で、本社はカリフォルニア州バークリー。このニュースを最初に伝えた米TechCrunchによると、IQ Enginesは「SmartCamera」や「SmartAlbum」と呼ぶAPIを提供している。

 前者は小売事業者が商品検索サービスなどに利用している。後者は顔認識サービスのためのAPIで、オンラインやモバイルアプリケーションの写真アルバムなどが利用している。また同社は、「Glow」というモバイル用の写真アルバムアプリケーションも手がけている。こちらは、写っている人物や物、場面、建物、文字などを認識し、自動でタグ付する機能を備えている。IQ Enginesのこうした技術を使って、Yahoo!はFlickrサービスの機能強化を図るものと見られている。

 フランス通信社(AFP)によると、Marissa Mayer最高経営責任者(CEO)の就任以降、Yahoo!は20社以上を買収している(関連記事:米Yahoo!、Tumblrの買収を完了、広告展開支援へ)。Mayer CEOは、モバイルやビデオのサービス、デジタルコンテンツのパーソナル化を通じ、同社サービスの利用者層を広げようとしている。

 市場調査会社の米comScoreのリポートによると、今年6月の米国におけるYahoo!サイトのユニークビジター数は1億9560万人で首位。Yahoo!が首位となったのは、2011年5月以降初めてだという。

[IQ EnginesのWebサイト]