iPhoneやiPadなどの組み立て業務を手がける台湾・鴻海精密工業(Hon Hai Precision Industry)が自社の保有特許の一部を米Googleに売却したと、米Wall Street Journal英Financial Timesなどの海外メディアが現地時間2013年8月23日までに報じた。

 鴻海精密工業、Googleともに取引金額などの詳細について明らかにしていない。Wall Street Journalによると、Googleが取得した特許はヘッドマウント型ディスプレイに使われる、現実の映像に仮想世界の映像を重ね合わせて表示する技術に関するものが含まれる。2014年に一般向け販売を予定している眼鏡型モバイル端末「Google Glass」に関する特許資産の強化を図る狙いがあるとFinancial Timesは伝えている。今後ウエアラブルコンピューターの技術が進むにつれ、この分野でもスマートフォン業界のように特許係争が頻繁に起きると予想されているという。

 一方、鴻海精密工業や同社傘下の中国・富士康科技(Foxconn Technology)は単なる組立工場にとどまらず、多くの技術開発を手がける企業。保有特許も多く、最近は新事業戦略の一環として米国の特許コンサルタント企業であるMiiCs Partnersと提携し、特許ライセンス事業について検討していたとFinancial Timesは伝えている。同紙によると鴻海精密工業は、テレビやパソコンモニター、タブレット端末、スマートフォンに使われるディスプレイ技術に関する多数の特許をライセンス供与することなどを検討している。