米Appleが出版大手5社と共謀して電子書籍の価格を操作したとする問題で、米司法省(DOJ)は当初の是正案の内容について一部緩和してもよいとする意向を示した。複数の米メディア(BloombergWall Street JournalPCMag.comなど)が現地時間2013年8月24日までに報じたところによると、DOJは差止命令の期間を短縮する用意があるという。

 Appleは、電子書籍の不正な価格調整によって米シャーマン法(独占禁止法を構成する法令)に違反したとする判決を7月10日に受けており、DOJは同社に対する是正案を8月2日に裁判所に提出していた(関連記事:電子書籍の価格操作問題で米司法省が是正案、Appleに契約打切など要求)。

 DOJの是正案では当初、裁判所が任命した社外監視担当者がAppleの内部コンプライアンスを監督する期間を10年間としていたが、これを5年間に短縮する。ただし1年ごとの延長を最大で合計5年間実施する可能性を残している。またこのほかの修正として、Appleが各出版社と交渉を再開する際に時期をずらすことを求めた。

 なお、Appleが「外部から監視要員を採用するのは非常にコストがかかり負担になる」と反対していることに対しては、DOJは「社外監視担当者は必要」との態度を貫いている。さらに、Appleへの手数料無しで競合電子書籍販売サービスへのリンク付加を許可するよう求める項目も維持した。

 DOJは今回の修正について、「裁判所の意見と、急速に変化する業界を考慮した」と説明している。連邦地裁のDenise Cote判事は、是正案についてDOJとAppleで話し合い、8月27日までに回答するよう命じていた。

 Wall Street Journalの技術系情報サイト「AllThingsD」の記者は、「DOJの修正は細かいものであり、DOJは譲歩する気はないようだ」との見方を述べている。