米Hewlett-Packard(HP)が現地時間2013年8月21日に発表した2013会計年度第3四半期(2013年5~7月)の決算は、純利益が13億9000万ドル(1株当たり利益0.71ドル)で、前年同期の88億5700万ドルの赤字(1株当たり純損失4.49ドル)から黒字転換した。売上高は前年同期比8%減の272億2600万ドル。企業や消費者向けパソコンの販売が不振で、売上高は8四半期連続の前年割れとなった。

 当期の事業別の売上高は、パソコンやプリンターなどのPrinting and Personal Systems Group事業が135億700万ドルで前年同期から8%減少した。このうちパソコン部門が同11%減の77億400万ドル。ワークステーションは同2%増えたが、ノートパソコンは同16%減、デスクトップパソコンは同10%減となった。企業向け製品が3%減、消費者向けが22%減少している。パソコンの出荷台数は同8%減で、デスクトップが同9%減少、ノートは14%減少した。またプリンター部門の売上高は同4%減の58億300万ドルとなった。

 サーバーや技術サービス、ストレージ、ネットワーキングなどを手がけるEnterprise Group事業の売上高は67億8600万ドルで、前年同期から9%減少。ネットワーク製品による収入は前年同期比横ばいだったが、業界標準サーバー(Industry Standard Servers)は同11%減、ビジネスクリティカルシステムは同26%減、ストレージは同10%減、技術サービスは同7%減少した。

 このほか、アプリケーションやビジネスサービス、インフラ技術アウトソーシングなどのEnterprise Services事業の売上高は同9%減の58億4300万ドル。ソフトウエア事業は同1%増の9億8200万ドルとなった。

 今後の業績予想については、2013会計年度通期(2012年11月~2013年10月)の1株当たり利益を2.67~2.71ドル、特別費用を除いた非GAAPベースで3.53~3.57ドルと見込んでいる。

 またHPは同日、これまでEnterprise Groupのトップを務めてきたDave Donatelli氏を、Meg Whitman最高経営責任者(CEO)直属の役職に就ける人事異動を明らかにした。Donatelli氏の新たな部署など詳細については発表していないが、同社が米3PARや米3Comの買収で成功したように、新興企業などの技術を獲得するための新たな任務だとしている。またこれに伴って、Bill Veghte COO(最高執行責任者)がDonatelli氏の後任となり、Enterprise Groupを統括する。これにより同社はCOOが不在となるが、当面新たなCOOを探す計画はないとしている。

[発表資料(2013会計年度第3四半期決算)]
[発表資料(人事異動)]