写真●「BYODグローバル・トレンドリサーチ2013」の表紙
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 「日本の情報システム部門はBYOD(私物デバイス活用)に慎重だが、その一方でパブリッククラウドとMacの利用が進んでいる」---。アクロニス・ジャパンは2013年8月22日、BYODへの取り組みを中心としたセキュリティ意識についてのアンケート調査結果をまとめたPDF文書「BYODグローバル・トレンドリサーチ2013」(全24ページ、写真)をダウンロード公開した。

 アンケート調査は、企業のIT管理者とアドミニストレーターに対して米Acronisが2013年3月にオンラインで実施した。調査対象の企業規模は中小から大規模までを網羅し、広く各種業界をカバーしている。調査対象数はグローバルで12万1783社(有効回答は4374社)。日本は1万5552社(有効回答は509社)だった。

 アクロニス・ジャパンは今回の調査結果を受けて、グローバルの平均と比べた日本の特異性を指摘した。日本では、私物デバイスを会社に持ち込むBYODについては、極めて慎重であり、セキュリティ意識の高さが見て取れるという。しかしその一方で、パブリッククラウドの利用を許可している率が高い。さらに、Windows以外の選択肢としてMacの業務利用が進んでいるとした。

BYODには厳しい制限

 日本企業がBYODに慎重な姿勢として、(1)使用制限が厳しい、(2)役職によるポリシーの例外がない、(3)トレーニングが進んでいる---という三つの傾向を指摘した。

 (1)の使用制限の厳しさについては、職場での私物デバイスの使い方がポリシーで明記されている企業は、日本では54%に達する(グローバルでは41%)。明記されている場合のポリシーの中身は、すべての私物デバイスが社内LANにアクセスできる企業は日本では15%しかない(グローバルでは23%)。私物デバイスからの社内LANへのアクセスが禁じられている企業は、日本では40%に達する(グローバルでは31%)。

 セキュリティ製品を利用した利用制限も日本では進んでいる。VPNやゲートウエイを介して接続している企業は、日本では84%に達する(グローバルでは68%)。エンドポイントのセキュリティソフトを導入している企業は、日本では57%に達する(グローバルでは36%)。パスワードやキーロックを使っている企業は、日本では45%に達する(グローバルでは31%)。

 (2)の、役職に応じてBYODのポリシーに例外が発生するかという点では、全社員に対して平等に適用されるという企業は日本では83%に達する(グローバルでは73%)。一方で、企業幹部に私物デバイスが許可されている企業は日本では6%しかない(グローバルでは16%)。

 (3)の、BYODのリスクについてのトレーニングを実施しているかという点では、日本では35%が実施している(グローバルでは21%)。

パブリッククラウドとMacは積極的に利用

 一方で日本では、パブリッククラウドの利用が進んでいる。業務文書をパブリッククラウドで共有することを許可している企業は、日本では44%に達する(グローバルでは27%)。反対に許可していない企業は、日本では34%しかない(グローバルでは47%)。

 もっとも、日本企業はパブリッククラウドを許可する一方で、パブリッククラウドのリスクについてのトレーニングも進めている。日本では33%が実施しているという結果が出た(グローバルでは19%)。

 米AppleのパソコンであるMacの利用も日本では進んでいる。Macを正式に社内でサポート対象としている企業は、日本では37%(グローバルでは38%)と平均並み。しかし、12カ月以内にサポートする予定とした企業は、日本では42%に達した(グローバルでは27%)。サポートされていない(サポートの予定がない)という企業は、日本では15%しかなかった(グローバルでは25%)。