写真●Secure Mail for .NET4.0Jを使って開発している様子
写真●Secure Mail for .NET4.0Jを使って開発している様子
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 グレープシティは2013年8月21日、Windows(.NET Framework)向けのソフトウエア開発コンポーネント部品の一種として、メール送受信コンポーネントの新版「Secure Mail for .NET4.0J」とファイル転送コンポーネントの新版「Secure FTP for .NET 4.0J」を発表した(写真)。9月18日に出荷する。新版では、IPv6対応など各種の強化を図った。開発会社は米Dart Communications。

 .NET Framework上で動作するメールソフトやFTPソフトを開発するためのコンポーネントである(サーバーソフトやクライアントソフトを開発できる)。これらを利用することで、TCP/IPアプリケーションプロトコルの決まりきった処理を、開発者自らコーディングすることなく容易に実装できる。開発環境は、.NET Framework 4/4.5(Visual Studio 2010/2012)。開発言語はVisual BasicまたはC#。

 今回の新版では、Secure MailとSecure FTPともに、これまでのIPv4に加えてIPv6の環境でも利用できるようにした。また、Secure Mailでは新たに、不明な文字コード名が指定されたメールを受信した場合に.NET Frameworkがサポートしているコード名にマッピングするようにした。Secure FTPでは新たに、FTPの圧縮通信手法であるMODE Zを実装した。MODE Zの圧縮効果はテキストで15~20%、HTMLで25~30%、マルチメディアで90~95%という。

メール/FTPソフトのコア機能群をまとめて提供

 なお、Secure Mailで利用できる通信機能は、SMTP、POP3、IMAP4の各プロトコル、SSLを使ったメール送受信、S/MIMEによる署名/暗号化など。メール操作としては、送信メールへのヘッダー行の追加、受信メールへの返信と転送、受信する範囲(メッセージ全体、ヘッダー部のみ、または任意の行数など)の指定、文字コードの指定、HTMLメールの送受信などが可能。

 一方、Secure FTPで利用できる通信機能は、FTP(FTP、FTP over SSL/TLS)である(アクティブモード/パッシブモード)。ファイル操作としては、ワイルドカードによる転送ファイルの一括指定やディレクトリを指定した一括転送、メモリー上のデータをサーバーに送信/受信データをメモリー上に保持、接続するサーバーに合わせた文字コードの指定などが可能。

クライアントのランタイムは無償

 価格(税込み)は以下の通り。

 Secure Mailは、開発ライセンスが開発マシン1台当たり9万9750円、運用(配布)ライセンスは、クライアントサイドで動作する場合は無償、サーバーサイドで動作する場合はサーバー1台当たり5万2500円。

 Secure FTPは、開発ライセンスが開発マシン1台当たり7万8750円、運用(配布)ライセンスは、クライアントサイドで動作する場合は無償、サーバーサイドで動作する場合はサーバー1台当たり5万2500円。

 Secure MailとSecure FTPのセットパッケージであるSecure iNetSuiteは、開発ライセンスが開発マシン1台当たり13万1250円、運用(配布)ライセンスは、クライアントサイドで動作する場合は無償、サーバーサイドで動作する場合はサーバー1台当たり5万2500円。