写真●インフォアジャパン代表取締役社長の尾羽沢 功氏
写真●インフォアジャパン代表取締役社長の尾羽沢 功氏
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 インフォアジャパンは2013年8月8日、新社長就任に伴う戦略説明会を開催した。7月1日に同社の代表取締役に就任した尾羽沢 功氏は、「3年間でインフォアジャパンの売り上げを2倍にする」と宣言した。

 尾羽沢氏は、顕著な成長を見せる日本のERP(統合基幹業務システム)市場について、「特に今ERPに一番投資しているのは、インフォアが狙っている中堅企業から大企業。これまでERPへの投資を控えていた企業も、経済の回復基調に後押しされ今がチャンスと考えている」と話す。インフォアジャパンの売上高は現在、インフォアのワールドワイドの売上高の3%弱にとどまっているというが、尾羽沢氏は「3年間で売り上げを倍増し、インフォアのグローバルトップ5カ国に入りたい」と述べた。

 成長に向けた戦略としては、まずパートナーエコシステムを構築していくという。「現在われわれの売り上げの65%は直販となっているが、引き合いが多くて直販だけではカバーできなくなっている。今後パートナー経由の売り上げを50%まで高めたい」として、IPN(Infor Partner Network)と呼ばれるパートナーへの投資を強化する。

 この戦略の下、インフォアでは7月18日に新日鉄住金ソリューションズとの提携強化を発表したほか、設備施設管理製品の「Infor EAM」やERP製品「Infor SyteLine」の販売をメインとしたパートナー2社との契約を8月中に締結する予定だという。尾羽沢氏は、「2014年度(2013年6月~2014年5月)は最低5社とIPN契約を結ぶ」としている。

 また、従来より業界向けソリューションに注力してきたインフォアだが、「より細分化されたソリューションを提供できることがわれわれの差別化要素だ。今後もコンポーネント単位で製品を販売したり、案件に合ったソリューションをジャストフィットで提供する」と尾羽沢氏。そのためには業界に特化した専門性の高い人材が必要だとして、教育にも力を入れるとしている。

 営業体制も刷新した。インダストリー営業、ソリューション営業、パートナー営業という3つの部門で組織運営するほか、海外展開する日本企業に向けた営業部隊も立ち上げたという。「ERPベンダーとしてのインフォアブランドはまだ弱いため、ブランド力を上げるためにも営業やマーケティングの方法を変えていきたい」(尾羽沢氏)。

 戦略説明会では、同社の成長戦略の中核となるエンタープライズ向けビジネスアプリケーション群の最新版「Infor10x」も発表した。同製品は、さまざまなシステムとインテグレーションできることや、分析機能やモバイル対応などが特徴だという。尾羽沢氏は「まだインフォアの顧客になっていないユーザーに対してもコネクターを提供して連携できるようにし、かゆいところに手が届くようにしたい」と述べた。