プロジェクター事業の販売戦略について解説した、エプソン販売取締役の中野修義販売推進本部長
プロジェクター事業の販売戦略について解説した、エプソン販売取締役の中野修義販売推進本部長
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企業向けプロジェクターの市場概況。2012年は全体で19万6805台。エプソンのシェアは56%になった
企業向けプロジェクターの市場概況。2012年は全体で19万6805台。エプソンのシェアは56%になった
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エプソンのラインアップにおける販売構成比。規模の大きなところでは「文教」と「ローエンド」が伸びている。さらに「高光束」と「ビジネスインタラクティブ」にも力を入れるという
エプソンのラインアップにおける販売構成比。規模の大きなところでは「文教」と「ローエンド」が伸びている。さらに「高光束」と「ビジネスインタラクティブ」にも力を入れるという
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イベントホールや大会議室向けの高光束モデルは、エプソンで未開拓の市場。パナソニックが強いが拡大したラインアップによりシェアを伸ばしたいとした
イベントホールや大会議室向けの高光束モデルは、エプソンで未開拓の市場。パナソニックが強いが拡大したラインアップによりシェアを伸ばしたいとした
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企業向けで電子黒板機能を備えたモデルはまだ販売台数が少ない。2013年に力を入れて販売台数を増やす
企業向けで電子黒板機能を備えたモデルはまだ販売台数が少ない。2013年に力を入れて販売台数を増やす
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文部科学省の方針を受けて、順調な伸びを示す文教市場。成長率を150%と見込んでいる
文部科学省の方針を受けて、順調な伸びを示す文教市場。成長率を150%と見込んでいる
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ホームシアター用プロジェクターは2012年に全体で1万7195台と、ビジネス向けに比べると規模は非常に小さい。エプソンは一度シェアを落とした
ホームシアター用プロジェクターは2012年に全体で1万7195台と、ビジネス向けに比べると規模は非常に小さい。エプソンは一度シェアを落とした
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世界のプロジェクター市場の規模を800万台と推定している。エプソンのシェアは26%だという
世界のプロジェクター市場の規模を800万台と推定している。エプソンのシェアは26%だという
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世界全体の景気の回復などを背景に、2016年には900万台に市場規模が拡大すると見込んでいる
世界全体の景気の回復などを背景に、2016年には900万台に市場規模が拡大すると見込んでいる
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企業向け製品の訴求ポイント。タブレットとスマートフォンに対応するには別売の無線LANユニットが必要だ
企業向け製品の訴求ポイント。タブレットとスマートフォンに対応するには別売の無線LANユニットが必要だ
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家庭向け製品の訴求ポイント。「明るさ」を打ち出した上で、上位モデルは画質、低価格モデルは機能に対する割安さを主な売りにする
家庭向け製品の訴求ポイント。「明るさ」を打ち出した上で、上位モデルは画質、低価格モデルは機能に対する割安さを主な売りにする
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企業向け製品の目玉である「EH-TW410」。実勢価格は約6万円で1280×800ドット対応。家庭でゲームや映画を楽しむのにも使ってほしいとし、デモでは家庭用ゲーム機を接続して写していた
企業向け製品の目玉である「EH-TW410」。実勢価格は約6万円で1280×800ドット対応。家庭でゲームや映画を楽しむのにも使ってほしいとし、デモでは家庭用ゲーム機を接続して写していた
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企業向けの「EB-W18」。1280×800ドット対応、2900ルーメンで実勢価格は約9万円
企業向けの「EB-W18」。1280×800ドット対応、2900ルーメンで実勢価格は約9万円
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EB-W18の背面端子。ボタン類は、色覚の個人差によらずに使えるようにデザインしたという
EB-W18の背面端子。ボタン類は、色覚の個人差によらずに使えるようにデザインしたという
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家庭向けの「EH-TW5200」。フルHDと3Dに対応して実勢価格は約10万円。ゲームを映したときなどに表示の遅延を低減する「Fast mode」を備える
家庭向けの「EH-TW5200」。フルHDと3Dに対応して実勢価格は約10万円。ゲームを映したときなどに表示の遅延を低減する「Fast mode」を備える
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フラッグシップモデルで無線LAN機能を内蔵した「EH-TW8200W」(実勢価格は約33万円)。2400ルーメンで、コントラスト比は60万:1と高い
フラッグシップモデルで無線LAN機能を内蔵した「EH-TW8200W」(実勢価格は約33万円)。2400ルーメンで、コントラスト比は60万:1と高い
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 セイコーエプソンは2013年8月7日、プロジェクターの新製品として、10万円以下のフルHD、3D対応モデルなど家庭向けと企業向け合わせて10モデルを発表した。同日発表会を開催し、市場シェアの動向やプロジェクター製品群の販売戦略などを明らかにした。(関連記事:エプソン、10万円以下の3D対応機など、プロジェクター10モデルを発売

 プロジェクターの国内販売戦略は、エプソン販売取締役の中野修義販売推進本部長が解説した。国内市場では販売台数が横ばいだったが、2012年は伸びて19万6805台になった。「市場を引っ張ったのはエプソン。シェアが2010年から拡大し2012年には56%になった」(中野本部長)。エプソンのラインアップの中では、電子黒板としての需要がある文教市場と、安価な「ローエンド」の市場が伸びているという。

 この2つの市場に向けた製品に加え、販売構成比としてはまだ少ないものの拡大している「高光束」モデルと、これから伸ばす「ビジネスインタラクティブ」モデルによってプロジェクター事業を成長させたいとした。

 高光束モデルはイベントホールや大会議室向け。「エプソンにとっては未開拓の市場。パナソニックの独壇場だった。2012年3月に発売したZシリーズでその牙城を崩しつつある。2012年のシェアは12%にとどまったものの、2013年3月に出したGシリーズにより2013年は20%へと伸ばしたい」(中野本部長)。ビジネスインタラクティブは電子黒板機能を備えたプロジェクターで、「文教市場向けは多いが企業向けはエプソンだけ」(中野本部長)。発売後2カ月で300台と販売台数はまだ少ない。2013年中に4000台を販売することを目標にしている。

 文教市場は、文部科学省の教材整備指針に沿って電子黒板を全教室に配備することになっている。こうした流れで、市場の成長率を150%と見込んでおり、現在のシェア64%からさらに伸ばすとした。ローエンドは、今回発表した「EH-TW410」などで市場を拡大する。EH-TW410は1280×800ドット対応、2800ルーメン、コントラスト比1万2000対1の企業向けながらも実勢価格が6万円と比較的安く、家庭でゲームや映画を楽しむにも向いているとした。

 ホームシアターの市場は2012年時点で1万7195台という規模。エプソンは2009年のシェア60%から2011年は47%まで落ち込んだが、2012年は53%と回復基調にある。「市場開拓が最大のテーマ。ヘビーユーザーからコスト重視のユーザーまで全ての層に向けた製品を出す」(中野本部長)。今回は、フルHD(1920×1080ドット)と3D表示に対応して10万円を切る「EH-TW5200」など、5モデルを出した。

 新製品の販売施策上の訴求ポイントは、エプソン販売VPMD部長の柳田貴之氏が説明した。企業向けは、1280×800ドット対応モデルが6万円からという価格の安さや、明るさ2800ルーメン以上でA4サイズ、2.4kgと小型・軽量な点、補正機能が優れている点、オプションの無線LANユニット(実勢価格は約8500円)でスマートフォンやタブレットにも対応できる点を主に訴求する。家庭向けは、全モデルを「明るい高画質、明るい3D」としてアピールするほか、低価格モデルは10万円未満でフルHDと3Dに対応する点、上位モデルはエプソン製品の中で最も画質が良い点や超解像機能やフレーム補完機能の3D対応を売りにするとした。