図●国内企業向けIT市場 地域別前年比成長率予測(出典:IDC Japan 2013年8月5日)
図●国内企業向けIT市場 地域別前年比成長率予測(出典:IDC Japan 2013年8月5日)
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 IDC Japanは2013年8月5日、国内企業向けIT市場(官公庁、教育、一般消費者を除く)の2013年~2017年の地域別市場について予測を発表した。2013年の国内企業向けIT市場の規模は、前年比の成長率が0.3%の10兆1031億円で、プラス成長を維持するものの低成長率にとどまるという。

 2013年は国内経済に回復の兆しが見えているが、IDCでは大手製造業で生産拠点の海外移転や撤退などが相次いでいることを指摘。このことから多くの地域で経済の回復が遅れ、IT支出の抑制傾向が継続するとしている。2012年のハードウエア更新需要の反動もあり、2013年の国内企業向けIT市場は小幅の成長にとどまるという。

 地域別では、北海道/東北地方、北陸/甲信越地方、東海地方で比較的高い成長率が見込めるという。北海道/東北地方では、大手企業の拠点設置が増えていることから、IT支出が堅調に拡大し、前年比成長率が1.5%になる見込み。北陸/甲信越地方は、2015年春に延伸予定の北陸新幹線に伴う積極的な投資が見込まれることから、前年比成長率は1.4%になるという。東海地方は円安で業績が改善している大手自動車製造業などの影響でIT支出が拡大し、同1.5%になるとIDCでは予測している。

 関東地方は、大手金融機関や情報サービス業で積極的なIT支出が継続するものの、2012年の通信事業者の大規模な投資の反動もあり、前年比成長率は0.1%にとどまるという。近畿地方は、同地域に拠点を持つ大手製造業の業績悪化の影響が大きいことから、前年比成長率は0.1%になるとIDCは予測している。

 2014年は、ハードウエアの更新需要の谷間となることから、各地域でマイナス成長になるという。2015年以降は、関東地方のIT支出は堅調に拡大する一方で、その他の地域のIT支出は低い成長率にとどまるとIDCは予測している。