NFC(Near Field Communication)技術の推進団体であるNFC Forumは、2013年8月2日、第2回 NFC Forumジャパンミーティングを開催した(写真)。
今回のミーティングの基調講演には、自動車業界の標準化団体「JASPAR」の「持込機器インターフェイスWG」を代表して、WG主査を務めるホンダ技術研究所の古川英夫氏とトヨタ自動車の花岡健介氏が登壇した。
JASPARでは、NFCのユースケースとして「車の鍵、カーシェア、レンタカーへの応用」「シートやオーディオなどのカスタマイズ」「位置情報の取得と設定」「車両情報活用アプリ」「高速通信への切り替え」などの用途を想定しているとした。
NFCには利便性や快適性を向上するのに役立つという期待がある一方で、車内で利用することによる安全面への不安、接続性の確保、セキュリティなどに課題があるとした。
こうした課題を指摘しつつも、古川氏は「ユーザーのニーズは高い。NFCの普及をみながら、自動車業界がそろそろ連携をするタイミング」とNFCの車内での活用に関して積極的な姿勢を見せた。
NFC Forum議長の田川晃一氏は、同団体の近況を報告した。それによると、現在のメンバー数は190以上、最近は米国の通信事業者であるベライゾンやドイツBMWなども参加したという。
最近の活動については、互換性確保のためのイベント(plugfest)の開催意向があることが発表された。また、ヘルスケア関連の情報を歩数計や血圧計からNFC経由でスマートフォンなどに転送するための規格が正式に認められたことなどが紹介された。
このほか今回のミーティングでは、NFC Forumの内部組織(SIG)による業界ごとの活動の最新状況が報告されたほか、ライトニングトーク(短時間の発表)として、4社が登壇した。東洋製罐はNFCを活用した偽造防止容器「LOSIST PLUG」、オライリー・ジャパンは今秋発刊予定の「NFC Hacks」、週刊アスキーは次週発売号のNFC特集、日経BPはAndroid Application Award(A3=エーキューブ)のNFC関連の受賞作品をそれぞれ紹介した。