ジャパン・モバイルキャスティング(Jモバ)は2013年8月1日、モバキャス(ISDB-Tマルチメディアフォーラムで定めた「V-Highマルチメディア放送」の総称)の発展に向けて、現行のサービス提供条件を見直すと発表した。

 Jモバは、V-High帯利用の全国向けマルチメディア放送の基幹放送局提供事業者(いわゆるハード会社)である。14.5MHz幅の帯域を利用して、33セグメントを用意し、全国放送できるように基地局の整備を進めている。現在は、そのうち13セグメントを使い、mmbiがスマートフォン向け放送「NOTTV」を展開しているが、残る20セグメントが空いたままになっていた。

 今回の見直しでは、放送事業者のモバキャス参入にかかるコストを低減し、新規参入しやすい環境を提供することを目的する。具体的には、まずサービス提供範囲を拡大する。現在は全国放送網の提供のみであるが、視聴者との契約・課金・決済サービス、番組情報管理機能およびエンコーダなどの送信機能の提供を予定する。

 第2は、現行料金プラン(固定)の改定である。取得セグメント数に応じて累進増加するという考え方を採用する。この結果、1セグメント取得時の料金は、現在の年5億400万円(A種1セグメント)から同2億7000万円へと半額近くになる。

 第3は売上連動プランの新設である。新固定プラン料金の一部を、有料放送事業者の視聴料金(売上)と連動(レベニューシェア)することで、固定料金をさらに低減できるようにする。

 今回のサービス提供条件の見直しについては、2015年4月に放送事業者がサービス提供できるように準備を進めていく方針。なお、2013年7月31日に新規参入を検討する放送事業者を対象にした説明会を行い、81社が参加したという。

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