英Reutersや、米Wall Street Journal米Bloombergなどの海外メディアは現地時間2013年7月31日、米AppleのTim Cook最高経営責任者(CEO)が中国・北京に訪れ、同国最大の携帯電話会社China Mobile(中国移動)のXi Guohua(奚国華)会長と会談したと報じた。

 会談の内容については明らかになっていないが、両社の提携に関する協議がまとまれば、製品の販路拡大と新規スマートフォンユーザーの獲得につながり、両社の状況が好転する可能性があると伝えている。

 Appleは中国向けiPhoneやiPadに関して、加入者ベースで同国第2位のChina Unicom(中国聯通)や第3位のChina Telecom(中国電信)と提携を結んでいるが、China Mobileとはまだ契約に至っていない。

 China Mobileは7億4000万人の加入者を抱える同国最大手の携帯電話会社。だがReutersによると大半の加入者はまだ3G通信サービスを利用しておらず、普段は主にSMSでメッセージのやりとりを行っている。China MobileはTencent Holdings(騰訊控股)のグループチャットアプリ「WeChat」などに人気が高まっていることから加入者を3G通信サービスに移行させ、収益を拡大したいと考えている。

 一方でChina Mobileは、中国独自の第3世代通信技術「TD-SCDMA」を採用しており、Appleの製品は同通信技術に対応していない。Cook CEOは中国を米国に次ぐ巨大市場と捉え、同国での販路拡大に力を入れているが、先ごろ発表した決算では中国(香港と台湾を含む)の売上高が前年同期比14%減と大きく落ち込んだ(関連記事:Appleの決算、2四半期連続の減益、iPhoneの販売台数は4~6月期の最高を更新)。

 Cook CEOがChina MobileのGuohua会長と会談するのは2度目。Cook CEOは2013年1月に北京にあるChina Mobile本社を訪れGuohua会長と「協力関係について」協議したと伝えられている。なおWall Street Journalは、今回の訪中でCook CEOはChina UnicomやChina Telecomの幹部とも会ったと伝えている。