写真●米Merakiの無線LANアクセスポイント「MRシリーズ」
写真●米Merakiの無線LANアクセスポイント「MRシリーズ」
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 グロース・イニシアティブとサジェスタムは2013年8月1日、米Merakiの企業向け無線LANアクセスポイント「MRシリーズ」の販売を開始した(写真)。Merakiは2006年に創業したベンチャー企業で、MRシリーズは無線LANコントローラーの機能をクラウドに集約した製品である。コントローラーを別途購入する必要がないため、従来の企業向け無線LAN製品よりも導入費用を抑えられるのが特徴だ。

 無線LANコントローラー機能は、一般的な法人向け製品と変わりがない。一元的にネットワークを管理したり、利用する周波数を自動で最適化したりできる。機能をクラウドサービスをして提供する点がほかとの違いだ。ユーザーはライセンス料金を支払って、クラウド上の無線LANコントローラー機能を利用する。「大規模オフィスに多数のアクセスポイントを設置するケースにも、多数の店舗に1台ずつ設置していくケースにも向く」(サジェスタムの藤田聡敏代表取締役)と言う。

 店舗向けに特徴的な機能も備える。一例が「Facebook Login」機能の搭載だ。この機能を使うと、Facebookページへのチェックインを無線LANへのログインとして利用できる。来客がパソコンやスマートフォンで店舗の無線LANに接続した場合、リダイレクトして店舗のFacebookページを表示する。チェックインした来客は、ほかのWebサイトも自由にアクセスできるようになる。PCI-DSSレベル1に準拠するため、クレジットカードを扱うPOSレジの通信にも使える。

 価格はスイッチ容量が300Mビット/秒のローエンド製品「MR12」でおよそ12万円(5年間のライセンス料金を含む)となる。このほか、スイッチ容量が600Mビット/秒の「MR16」、900Mビット/秒の「MR24」、防水・防塵仕様で屋外利用が可能な「MR66」といったラインアップを揃える。

 無線LAN以外にLANスイッチやUTM(統合脅威管理)アプライアンスも提供する。無料のMDM(モバイルデバイス管理)も提供している。端末の集中管理やポリシーの一斉適用、アプリケーションの配布、資産管理、紛失時のデータ削除といった一般的なMDMの仕組みを無料で使える。すべてMRシリーズと同様、クラウド上のダッシュボードで集中管理できるのが特徴だ。

 Merakiは2012年末に米シスコシステムズによって買収された。国内での販売、サポートは「シスコに買収される前に代理店契約を締結したが、その後変わるという話は出ていない」(グロース・イニシアティブの吉崎浩一郎代表取締役)としている。