写真●NECカシオモバイルコミュニケーションズ製の2画面スマートフォン 「MEDIAS W N-05E」
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 NECは2013年7月31日、スマートフォンの開発と生産からの撤退を正式発表した。従来型携帯電話機の開発および生産は継続する。「社会ソリューション事業を軸とした成長戦略を加速すべく携帯電話端末事業を見直した」としている。

 NECは子会社のNECカシオモバイルコミュニケーションズで携帯電話端末事業を行っている。同社でのスマートフォンの新規開発を7月31日付で中止した。現在販売中の機種を最後に、生産および販売を終了する。

 従来型携帯電話機の開発および埼玉日本電気での生産は継続する。またNECが行っているタブレット事業も継続する。

 「今後、携帯電話端末事業で培った無線通信や端末開発、ヒューマンインタフェースなどに関する技術・ノウハウを、当社が注力する社会ソリューション事業に活用する」(NEC)。これに伴い、NECカシオモバイルコミュニケーションズの従業員のうち、継続事業に従事する従業員以外は、NECグループ内で社会ソリューション事業を中心に再配置するとしている。

 NECカシオモバイルコミュニケーションズはNEC、カシオ計算機、日立製作所の3社の携帯端末事業を統合し、2010年に設立された(関連記事:NEC/カシオ/日立が生き残り賭け携帯事業を統合)。NECが70.74%、カシオ計算機が20.00%、日立製作所が9.26%を出資している。2012年度の売上高が約1400億円、出荷台数が約290万台で、従業員数は約890人。

 MM総研によれば、NECカシオモバイルコミュニケーションズの2012年度のスマートフォンの国内出荷台数シェアは前年比1.7ポイント減の4.5%だった(関連記事:2012年度の国内スマホ出荷台数シェアはアップルが1位の35.9%)。