KDDIは2013年7月30日、2014年3月期第1四半期(2013年4月~6月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比16.3%増の1兆24億円、営業利益は同89.6%増の1787億円の大幅な増収増益となった。売上高は第1四半期としては初めての1兆円超であり、売上高、営業利益ともに過去最高である。純利益も同32.9%増の682億円と二桁成長となった。

 KDDIは今期以降の3年間、「オーガニックに成長企業として二桁成長を狙う」(関連記事)とし、今年度は売上高13%増、営業利益22.9%増を目指している。その目標に向かって好調なスタートを切った形になる。

通信料収入の合計が前年同期比22%増に

写真1●KDDIの田中孝司社長
写真1●KDDIの田中孝司社長
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写真2●スマートバリューの進捗状況
写真2●スマートバリューの進捗状況
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 同社の田中孝司社長(写真1)は、今回の決算のポイントとして、(1)auスマートバリューによるモバイルとFTTHの純増数が好調に推移したこと、そして(2)au通信ARPUが予想を上回る進捗を見せたとことの2点を挙げた。

 FTTHおよびケーブルテレビなど指定の固定通信サービスと組み合わせて利用することでauスマートフォンの利用料金を割り引く「auスマートバリュー」は、2013年6月までにモバイル側が463万契約、固定側が249万契約に達した(写真2)。契約数の増加ペースは衰えておらず、スマートバリューは、モバイル側で新規契約の36%、auひかりの新規契約の60%が契約するなど、新規契約への貢献度も高いという。実際、auの純増数は今期66万9000(年間の進捗率29.1%)、FTTHの純増数は12万8000(年間の進捗率29.2%)と、いずれも好調に推移している。

写真3●au通信ARPUの推移
写真3●au通信ARPUの推移
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 もう一つのポイントであるau通信ARPUは、今期4110円となった。同社は月次ベースで2013年2月にARPUが底打ちし、反転ペースに入っている(関連記事)。その結果、四半期ベースで前期(2012年第4四半期)のARPU下落率が前年同期比-7.8%だったところ、今期は同-3.1%にとどまった(写真3)。「今期の重点課題である四半期ベースでのARPU反転に向けて、非常によい進捗を見せた」(田中社長)と強調する。