リバーベッドテクノロジーは2013年7月29日、ブロックストレージをWAN経由で高速に使うための対向型アクセラレータ製品の新版「Riverbed Granite 2.5」を発表した。8月中旬から下旬にかけて販売開始する。新版では、iSCSIストレージに加えて一部のFC(Fibre Channel)ストレージも遠隔地からiSCSI経由で利用できるようにした。開発会社は、米Riverbed Technology。

 Riverbed Granite 2.5は、iSCSIによるブロックストレージアクセスを高速化する、ネットワーク対向型のアクセラレータ製品である(関連記事:リバーベッド、iSCSIをWAN経由で使う高速化装置「Granite」を3月出荷)。データセンター側に設置する「Granite Core」と、拠点側に設置する「Granite Edge」で構成する。高速化の仕組みは、Granite Edge上のボリューム(LUN)がデータセンター側のLUNのデータキャッシュとして機能し、非同期でデータをコピーするというもの。

 拠点に置いた業務サーバー(iSCSIイニシエータ)からは、拠点に置いたGranite Edgeが、iSCSIターゲットストレージに見える。Granite EdgeとGranite Coreの間は、独自プロトコル(Rdisk)に変換して通信する。データセンター側では、標準ではGranite CoreがiSCSIイニシエータとなり、データセンター側にある外部のiSCSIターゲットストレージにアクセスする。つまり、iSCSIストレージアクセスを2台のGranite(Granite CoreとGranite Edge)が中継することになる。

 今回の新版では、データセンター側のGranite Coreの機能を強化し、利用可能な外部ストレージの形態を拡大した。従来のGranite CoreはiSCSIイニシエーターとしての動作モードに限定されていたが、新たに、サーバー仮想化ソフトのVMware ESXiが備えるストレージアクセス機構のRDM(Raw Device Mapping)を介して、外部ストレージ(iSCSIやFC)のLUNにアクセスできるようにした(Granite Coreは仮想アプライアンス版を利用する)。この結果として、これまでのiSCSIストレージに加えて、新たにFCストレージもGranite Coreからアクセスできるようになった。

 Granite CoreがVMwareのRDM経由でFCストレージのLUNにアクセスする場合でも、遠隔拠点のGranite EdgeについてはiSCSIストレージとして利用する。業務サーバー(iSCSIイニシエーター)からは、データセンター側の最終ボリュームがiSCSIなのかFCなのかは見えない。