NTT持ち株会社は2013年7月29日、「ニコニコ動画」で有名なドワンゴと業務・資本提携すると発表した。両社は今後、映像やソーシャル系サービスの高度化に向けて共同研究を推進していくほか、NTTは8月2日にドワンゴの既存株主であるエイベックス・グループ・ホールディングスから発行済み株式の4.99%に当たる1万200株を約50億円で買い取る予定である。

 共同研究のテーマとしては、(1)サービスやユーザーインタフェースの高度化、(2)サービス利用環境の品質向上を挙げている。(1)は、NTT研究所が保有するUI/UX技術をニコニコ動画やニコニコ生放送と組み合わせ、動画検索の高度化、新たな動画視聴方法の提供、音声認識技術の連携などを図っていく。具体的には、「特定人物が映っている動画だけを検索」、「アイドルライブで好みのアイドルだけを切り出して視聴」、「コメントの音声入力や音声読み上げ」などを検討していく。

 (2)は、NTT研究所が保有する品質評価技術を活用し、実際のユーザー体感に基づいたサービス品質の向上を図る。ドワンゴは国内の総トラフィックの10%以上を占めており、今後はスマートフォンによる動画視聴が増えていくと予想される。このような環境の変化においても、高品質を維持できるサービス設計やネットワーク構築を共同で手がけていく考えである。両社は、「世界に類を見ないサービス・ネットワーク技術のさらなる発展を目指す」としている。