米IDCは現地時間2013年7月25日、世界の携帯電話市場に関する調査結果(速報値)を公表した。それによると同年第2四半期(4~6月)における出荷台数は4億3210万台で、前年同期から6%増、前四半期から1%増となった。このうちスマートフォンは前年同期比52.3%増の2億3790万台となり、携帯電話全体に占める割合は55.1%に達した。

 携帯電話のメーカー別出荷台数を見ると、韓国Samsung Electronicsが前年同期から16.3%増の1億1340万台で首位。2位はフィンランドNokiaで同27.0%減の6110万台。3位は米Appleで同20.0%増の3120万台。この後、韓国LG Electronics(同23.7%増の1620万台)、中国ZTE(同1.1%減の1500万台)と続いた。

 IDCによると、同年第2四半期は上位5社以外のメーカーの出荷台数の伸びが顕著で、市場全体の成長に寄与した。とりわけ中国TCL Communication(Alcatel One Touchブランド)や中国ZTEなどが、中国やインド市場でAndroid端末を多く出荷した。同年第2四半期は上位5社以外のメーカーによる出荷台数が全体の44.8%を占め、前年同期の42.2%から拡大した。

 スマートフォンのメーカー別出荷台数は、Samsung、Apple、LG、中国Lenovo Group(聯想集団)、ZTEの順となった。このうちSamsungの出荷台数は前年同期比43.9%増の7240万台で、2位のAppleの2倍以上、2位以降の4社の合計出荷台数も上回った。3位のLG Electronicsの出荷台数は同108.6%増の1210万台、4位のLenovoは同130.6%増の1130万台、5位のZTEは同57.8%増の1010万台だった。

 LGは出荷台数の前年同期比伸び率が2四半期連続で100%を超えた。またLenovoは3四半期ぶり上位5社に入り、出荷台数の前年同期比伸び率は5社の中で最も高かった。中国市場で3G(第3世代)通信事業者向け端末の出荷台数が伸びたことがLenovo好調の要因と、IDCは分析している。

 一方Appleの出荷台数前年同期比伸び率は、過去約4年間で2番目に低い水準。この秋にも新製品が発売されると予想されていることから、買い控えが起きたとIDCは見ている。ただしAppleでは現行モデルのiPhone 5が登場してからすでに3四半期がたっており、市場競争が激化するなか、3120万台という出荷台数は目覚しいものがあるとIDCは指摘している。

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■変更履歴
最後の段落で「Appleの出荷台数前年同期比伸び率は、過去約4年間で最も低い水準」としていましたが、正しくは「Appleの出荷台数前年同期比伸び率は、過去約4年間で2番目に低い水準」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/7/29 15:50]