写真1●「第2回 Samurai MONO Festival」にブースを出すユカイ工学
写真1●「第2回 Samurai MONO Festival」にブースを出すユカイ工学
[画像のクリックで拡大表示]

 2013年7月26日、都内でハードウエアベンチャーなど38社・団体が集うイベント「第2回 Samurai MONO Festival」(MONOフェス)が開催された。展示会場には、iOS機器と連携するハードウエアなどを開発するためのツールキット「konashi」を開発・販売するユカイ工学(写真1関連記事)といったベンチャー企業だけでなく、凸版印刷が100%出資しているトッパンシステムソリューションズや、ベンチャー支援業務などにも携わるみずほ証券などもブースを構えていた。

スマホと連携しシンプルな設備でサイクルシェアを実現

写真2●リレーションズはサイクルシェアリングシステムや歩行リハビリ支援システムを展示・デモ
写真2●リレーションズはサイクルシェアリングシステムや歩行リハビリ支援システムを展示・デモ
[画像のクリックで拡大表示]

 リレーションズ(写真2)が展示・デモしていたスマートフォンを利用したサイクルシェアリングシステム「COGOO」は、2012年4月に開催された「Android Application Award 2012(A3 2012)」のアイデア部門で大賞を受賞したサービスである(関連記事)。スマートフォンなどのブラウザからCOGOOのサイトにログインし、暗証番号を取得。自転車の荷台に取り付けられたテンキーで暗証番号を入力し、自転車のカギを取りだし、リング錠を開いて自転車を利用する(写真3)。既に横浜国立大学や千葉大学の校内で学生向けの移動手段として利用されている。

写真3●リレーションズのサイクルシェアリングシステム「COGOO」で利用する自転車の例
写真3●リレーションズのサイクルシェアリングシステム「COGOO」で利用する自転車の例
[画像のクリックで拡大表示]

 各大学ではサイクルシェアリングの利用者を学生に限定するため、学生は大学のメールアドレスなどの情報を事前登録して利用する。利用エリアを制限することも可能で、例えば一定の距離を離れると警報が鳴るといった仕組みも用意している。現在、リレーションズは各大学に無償でシステムを提供しているが、「自転車に広告を取り付けることでビジネスとしても成立する」(リレーションズ 土屋敬氏)。利用登録時にクレジットカード情報を入力して課金するサービスモデルも可能だという。

写真4●歩行リハビリ活動支援を目的とするシステム「Warasy」
写真4●歩行リハビリ活動支援を目的とするシステム「Warasy」
[画像のクリックで拡大表示]

 そのほかリレーションズでは、在宅での歩行リハビリ活動支援を目的とするシステム「Warasy」を展示・デモ(写真4)。スマートフォンのモーションセンサーや外部のセンサーなどを使って歩行の状態をリアルタイムに計測し、状態に応じた“声掛け”などをアプリ側からすることで、リハビリ活動を支援する。現在開発段階だが、2014年には実用化の予定だという。WarasyもA3 2012のアイデア部門で優秀賞を受賞している。当時、開発者の久原政彦氏は大学院でWarasyを研究していたが、A3 2012をきっかけにリレーションズと出会い意気投合、久原氏がリレーションズに参画したという経緯がある。