米Amazon.comが現地時間2013年7月25日に発表した同年第2四半期(4~6月)の決算は増収となったものの、営業経費が膨らみ、赤字に転落した。売上高は157億400万ドルで、前年同期の128億3400万ドルから22%増加した。純損失は700万ドル(希薄化後1株当たり損失は0.02ドル)。前年同期の純利益は700万ドル(希薄化後1株当たり利益は0.01ドル)だった。
Jeff Bezos最高経営責任者(CEO)によると、同社では引き続き「Kindle」シリーズと商品配送優遇プログラム「Amazon Prime」会員向けのコンテンツ拡充に力を入れている。当期は、Kindle Storeに35万点以上の独占タイトルを含む合計数百万冊の電子書籍を用意したほか、Amazon Primeの会員が追加料金なしで映画やテレビ番組を視聴できる「Prime Instant Video」で4万点以上のタイトルをそろえた。また子ども向けサービス「Kindle FreeTime Unlimited」のコンテンツも拡充した(関連記事:Amazon.com、子供向けコンテンツの無制限配信サービスを発表)。
当期の営業利益は7900万ドルで、前年同期の1億700万ドルから26%減少した。営業利益率は0.5%で前年同期の0.8%から低下。売上原価、物流設備、マーケティング、技術基盤やコンテンツにかかる費用がいずれも増加し、これらを含めた営業経費は前年同期比23%増の156億2500万ドルとなった。このうち物流設備の費用が同35%増、技術基盤やコンテンツの費用が同47%増と大きく増えている。
事業別の売上高は、書籍や音楽/映像メディアなどを扱うメディア部門が43億9700万ドルで前年同期比7%増。家電・日用品部門は104億1500ドルで同28%増。Amazon Web Services(AWS)の北米事業や広告事業などの「その他」部門が8億9200万ドルで同61%増。地域別の売上高は、北米(米国とカナダ)が同30%増の94億9500万ドル、海外部門(英国、ドイツ、日本、フランス、中国、イタリア、スペイン、インド)が同13%増の62億900万ドル。
2013年第3四半期(7~9月)の業績見通しについては、売上高が154億5000万~171億5000万ドルの範囲で、前年同期比12%増~24%増と予想している。 営業損益は、6500万~4億4000万ドルの赤字を見込んでいる。前年同期(2012年第3四半期)の営業損益は2800万ドルの赤字だった。
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