三井情報は2013年7月25日、病院など医療機関で使用される医療器具の使用回数や滅菌処理の履歴を、クラウド上で管理するサービスを提供開始すると発表した。

 同サービスでは、個々の医療器具に刻印した二次元バーコードを読み取ることで、使用回数や滅菌回数を管理する。設定使用回数を越えた場合はアラートを出して、修理や廃棄などの適切な処理を促す。
 
 三井情報は、同サービスを利用して医療器具を管理することで、次のようなメリットを受けられると指摘する。(1)少ない利用回数での廃棄を防止しコスト削減が見込める、(2)感染症の拡大防止が可能、(3)器具の置き忘れなどによる過度使用のリスクが低減できる。

 一方、セット組み作業の省力化が可能になる。セット組みとは、使用した医療器具を個々にクリーニングや滅菌をした後、対象となる手術ごとにそれぞれグループ分けして整理すること。手術単位で必要な医療器具の数をあらかじめ登録しておけば、このシステムでバーコードを読み込んでリストと照合し、迅速で正確なセット組みの実施が可能になる。

 同サービスを利用するには、クライアントPCや据置型バーコードリーダーなどが必要で、初期費用は数十万円程度。利用料金は管理対象となる医療器具の数によって異なるが、月額数十万円からとなる。

 三井情報は7月から同サービスの販売を開始。中規模~大規模病院を中心に、3年後に100施設への導入を目指す。また、今後は電子カルテシステムや手術情報管理システムなどと連携し、より最適化された分析・管理システムを構築していきたいとしている。