写真●日本オラクル 副社長執行役員 アプリケーション事業統括 椎木茂氏
写真●日本オラクル 副社長執行役員 アプリケーション事業統括 椎木茂氏
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 日本オラクルは2013年7月24日、アプリケーション事業戦略について説明会を開催した。同社 副社長執行役員 アプリケーション事業統括の椎木茂氏(写真)によると、オラクルがフォーカスするアプリケーションの分野は、「インメモリーアプリケーション」「グローバル経営管理基盤」「SaaSおよびクラウド」の3分野だという。

 まずインメモリーアプリケーションについては、「これまでテクノロジーの限界によって実現できなかった処理が、インメモリー技術で実現できる」と椎木氏。例えば、同社が7月16日に国内で発表した「JD Edwards EnterpriseOne In-Memory Sales Advisor」では、お薦めの製品やクロスセル項目、アップセルの数量をリアルタイムに提案できるほか、「JD Edwards EnterpriseOne In-Memory Project Portfolio Management」ではすべてのプロジェクトの現状をさまざまな切り口で瞬時に捕捉できるとした。これらの国内発表済みの製品に加え、今後はグローバルですでに発表済みのインメモリーアプリケーションについても順次国内で発表していくという。

 グローバル経営管理基盤については、「これまでのように過去のデータで結果を確認しつつ会議室で経営方針を決めるのではなく、これからはタブレットやスマートフォンなどで場所を選ばず最新のデータを活用して意志決定できるようになる。いわゆる“どこでも会議”が経営管理の新しい姿だ」と椎木氏。この新しい経営管理を実現する方法として椎木氏は「EPMとERPの組み合わせによる全体最適が必要」と説明。つまり、EPMで経営を可視化し、ERPで業務効率化することで、競争優位性が身につくというのだ。

 そのためオラクルでは、「Oracle Hyperion EPM」と「Oracle ERP」を密に連携させることで相乗効果の出るような提案を行っていくという。さらにこれらを「Oracle Exadata」などのエンジニアドシステムズ上で稼働させることにより、「グローバル企業のマネジメントが必要とする経営管理や分析が実現できる」としている。

 SaaSおよびクラウドについては、すでに100以上のクラウドアプリケーションを提供していることをアピール。また椎木氏は、同日付で発表したクラウド型タレントマネジメント製品「Oracle Taleo Cloud Service」最新版についても説明した。最新版では、人材採用における評価管理や新規採用者の入社手続きの進捗管理を強化したほか、社員の異動や退職にともなう人材情報の管理機能の拡充と業績評価機能の操作性を向上したという。

 オラクルでは、アプリケーション事業に取り組むに当たり、SaaSの専門チームを設置したという。椎木氏は「SaaSはこれまでのシステムとは導入や運用の方法が大きく異なるため、どのように顧客にプレゼンテーションし、どう販売すればいいのか、専門的に訓練された人材が必要だ」と専門チーム設置の背景について説明した。また、パートナーとの協業モデルも強化するとしており、「パートナーにもオラクルにもメリットをもたらし、さらには顧客の価値を最大化するためのモデルを作っていきたい」と述べた。