Webのインタラクティブなプログラムに関連する技術を巡って米Eolas Technologiesが多数の技術企業を相手取って起こしていた訴訟で、米Google、米Amazon.com、米JC Penney、米Yahoo!が勝訴したと、複数の米メディア(BloombergArs TechnicaPCMag.comInfoWorldなど)が現地時間2013年7月23日に報じた。

 米連邦巡回区控訴裁判所の判事は、Eolasが主張する2件の特許が無効であるとした米連邦地方裁判所の判断を支持したという。

 Eolasは2009年に、Webページ内の音楽クリップ、検索、地図表示、埋め込みアプリケーションなどインタラクティブな機能の実行に関して、同社および米カリフォルニア大学が保持する特許2件が侵害されたとして、上記4社を含む約20社を特許侵害で提訴した。対象の特許は1件がWebブラウザでインタラクティブな埋め込み型アプリケーションを動かすための技術に関するもの、もう1件はプラグインやAJAXによってWebサイトに埋め込み型アプリケーションを追加する手法に関するもの。

 法廷にはEolasの主張に反対する証人として、 Webの父と呼ばれる英国人科学者Tim Berners-Lee氏、「Viola」ブラウザーを発明したPei-Yuan Wei氏も証言台に立った。

 連邦地裁は2012年7月に、Eolasが主張する2件の特許を無効と判断。この判決を不服としてEolasが上訴していた。Eolasが当初訴えた技術企業のうち、米Apple、米eBay、米Adobe Systems、米OracleなどはすでにEolasと和解している。またEolasは、米Facebook、米Wal-Mart、米Walt Disneyなどを相手取った同様の訴訟も起こしている。

 なお、Eolasは1999年に米Microsoftを相手取って特許侵害訴訟を起こし、2003年に5億2100万ドルの損害賠償の判決を勝ち取った。その後EolasとMicrosoftは2007年に和解合意した。

 近年、米国を中心に、実際には開発などを行わず特許の使用料や損害賠償を求めて不要な訴訟を起こす、いわゆる「特許トロール」に関する懸念が高まっている。Barack Obama米大統領は今年6月に、特許トロール規制に向けた施策や法制の立案を発表している。