コアマイクロシステムズは2013年7月23日、オンプレミスに設置するNAS装置でありながらデータをクラウドストレージ「Amazon S3」に保存する仕様とした製品「CloudNAS WSS2012」を発表した。8月30日に出荷する。業務システムのストレージとしてAmazon S3を利用できるようになる。特徴は、Amazon S3専用としたことと、Amazon S3の利用料金をコアマイクロシステムズの製品としてパッケージ化したことである。
Amazon S3にデータを格納するNASヘッド装置であり、キャッシュによってAmazon S3へのアクセスを高速化している。NASヘッドとしては、Windows Storage Server 2012(WSS2012)を使う。背後のストレージとしては、WSS2012のHyper-V上で、米TwinStrataが開発した仮想アプライアンス型ストレージ「CloudArray」を使う。このCloudArrayが、Amazon S3のゲートウエイとなる。これらを米DELL製の1Uラックマウント型PCサーバーに導入してアプライアンス化した。
中核をなすCloudArrayとは、Amazon S3など各種オンラインストレージのゲートウエイとして機能するストレージである。iSCSIターゲットやNASのアクセスポイントとして機能しながら、クラウドストレージへのアクセス性能を高めるキャッシュ機能を提供する。今回のCloudNAS WSS2012では、CloudArrayをiSCSIターゲットとしてWSS2012の背後で使いつつ、CloudArrayから接続可能なクラウドストレージをAmazon S3に限定している。
価格(税別)は、以下の通り。Amazon S3の利用料金を含まない本体のみの価格は、キャッシュ容量が2Tバイトの下位モデル「R200」が64万8000円、キャッシュ容量が4Tバイトの上位モデル「R400」が74万8000円。一方、Amazon S3の利用料金(基本料金)は、容量1Tバイトの契約で月額2万5000円、容量2Tバイトの契約で月額3万7500円など(4T/8T/16T/32T/64T/128Tバイトの契約も用意している)。
なお、Amazon S3の利用に当たっては、容量に応じた利用料金のほかに、データ転送量に応じた従量制の料金が別途必要になる。なお、今後はAmazon S3以外のクラウドストレージを使って、月額利用料金を固定化したパッケージを販売する予定としている。