写真1●インテルがクラウドサービス事業者向けにカスタマイズしたプロセッサを提供していることを明かしたスライド
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 米インテルは2013年7月22日(米国時間)、同社が米フェイスブックや米イーベイなどのクラウドサービス事業者向けに、カスタマイズしたプロセッサを提供していることを明らかにした(写真1)。大量のサーバーを運用するクラウド事業者向けに、通常のものよりも消費電力効率の高いプロセッサを提供するなどしているという。

 同日に米国サンフランシスコで開催したデータセンター事業の記者説明会(関連記事)で、同社クラウド・インフラストラクチャー・グループ担当ジェネラル・マネージャーであるジェイソン・ワックスマン氏が語った。ワックスマン氏によれば、クラウド事業者向けのカスタムCPUの提供は5年前から行っているという。今回はフェイスブック、イーベイの2社だけの事例を紹介したが、米グーグルなど他のクラウドサービス事業者にもカスタムCPUを提供しているもようだ。

写真2●パブリック・クラウド・サーバーや分散ストレージ、ソフトウエア・デファインド・ネットワーキングの市場規模見通し
写真2●パブリック・クラウド・サーバーや分散ストレージ、ソフトウエア・デファインド・ネットワーキングの市場規模見通し
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 インテルは今後も、巨大なデータセンターを運営するクラウドサービス事業者との連携を強化する考えだ。なぜならクラウドサービス事業者によるITインフラの調達は、年々拡大しているからだ。ワックスマン氏は記者説明会で、パブリック・クラウドで使用されるサーバーの市場規模は毎年25%成長し、2016年には150億ドルに達する見込みであると示した(写真2)。また、分散ストレージの市場規模は210億ドルに、ソフトウエア・デファインド・ネットワーキング(SDN)の市場規模は55億ドルになるとの見通しだ。分散ストレージやSDNの需要の多くも、クラウドサービス事業者が担うことになる。

 また、グーグルやフェイスブックといった大手クラウドサービス事業者は、自社でサーバーやストレージ、ネットワーク機器を設計し、台湾のODM事業者に製造させるなど、メーカー化を進めている。インテルが同日に発表したサーバー、ストレージ、ネットワークを統合したハードウエア「ラック・スケール・アーキテクチャ」を世界で初めて製造するのも、米国のIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)事業者である米ラックスペース・ホスティングになる予定である。

 インテルとしては、従来からのメーカーだけでなく、クラウドサービス事業者との直接の連携を強化することで、データセンター向けのITインフラ市場における存在感を強めていく考えだ。