AndroidやiOSのアプリを投入することでユーザー数が増えた
AndroidやiOSのアプリを投入することでユーザー数が増えた
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楽天<kobo>統括イーブックジャパン事業長の舟木徹氏
楽天<kobo>統括イーブックジャパン事業長の舟木徹氏
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会場では日本で未発売のカラー液晶を搭載した電子書籍端末など展示していた
会場では日本で未発売のカラー液晶を搭載した電子書籍端末など展示していた
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 楽天は2013年7月19日、国内でのサービス開始から1年が経過した電子書籍配信サービス「電子ブック楽天<kobo>」の販売状況について説明会を開催した。iOS向けのアプリ配信を開始したことなどの効果で2013年は売り上げが毎月20%以上の成長を続けていることなどを説明した。

 2012年12月にAndroid向け、2013年4月にiOS向けの電子書籍の表示用アプリを配信したことが転機となった。半年でユーザー数は2倍に増えたほか、コンテンツ販売額でも2013年1月以降は毎月20%以上の伸びがあるという。特にコミック分野が好調で、2013年3月以前は40%前後だったコミックの販売比率は、4~6月に72.6%に達している。

 開始当初は、書籍数が少なく、使いやすさの面などで不備があり、ユーザーから不満が相次いだ。「サービスを立ち上げてから、さまざまな反省すべき点があった。初めの3カ月くらいは対処に追われたが、残りの9カ月はじっくり着実に改善できた。ユーザーと出版社に迷惑をかけたことを反省し、学んだことを今後に生かしたい」(楽天<kobo>統括イーブックジャパン事業長の舟木徹氏)と1年を振り返る。

 楽天koboで配信しているコンテンツ数は現時点で約15万点で、年内には20万に達する見通し。Webサイトでは検索機能や本のジャンル項目などで改良を加え、端末のバージョンアップもこまめに実施してきた。こうした取り組みにより、サービス開始当初に発生した不具合などの問い合わせは現在では大幅に減っているという。今後は、紙の書籍を販売する「楽天ブックス」とのサービス統合を進めるなどの改良を進める。

 海外では、アプリ上で電子書籍を読むユーザーよりも電子ペーパーを搭載した電子書籍端末のユーザーのほうが電子書籍サービスを継続的に利用する傾向があるという。そこで電子書籍端末のユーザーを増やすための施策も強化する。6型画面の「kobo Touch」は従来から1500円値下げして5480円に、5型画面の「kobo mini」は1000円下げて5980円にした。書店や量販店での端末販売も強化する。「ユーザーが電子書籍を買ったときに、その端末を売った書店や量販店に収益の一部を分配するというWin-Winモデルによってkoboが海外で急成長した。それを日本でも展開する」(イーブックジャパン事業企画管理部部長の白石翼氏)とする。店頭でのキャンペーンなどを実施することで認知度の向上を図る。