アイ・ティ・アール（ITR）は7月17日、国内ユーザー企業を対象に実施した「IT運用コストの削減施策に関する調査」の結果を発表した。「大型案件化によるディスカウント」や「外部委託における競争入札方式の導入」がコスト削減効果の高い施策であり、実施を検討すべきとしている。
ITRでは2013年5月、従業員1000人以上のユーザー企業における情報システム部門、経営企画部門の担当者を対象に、IT運用コスト/維持コスト削減施策の実施状況とその削減効果を調査。有効回答数は200件である。回答者の93％がITの運用コスト/維持費用の削減が課題となっているとし、そのうち37％が「喫緊の課題」、56％が「中長期的な課題」と答えている。
ITマネジメント、ITアーキテクチャー、ITサービスレベル、ITスタッフの4分野におけるコスト削減策の実施状況では、実施している施策として最も回答が多かったのは「ベンダー値引き交渉」の67％。次いで「集中購買（機器/ライセンス）」と「IAサーバー仮想化/ストレージ統合」が、ともに55％だった。以下、「保守契約/条件の見直し」「IT投資戦略/予算管理/コスト評価の見直し」「機器/ソフトウェアの標準化」の実施率が高く、いずれも過半数の企業が実施している。ITマネジメント分野の施策の実施率が高い傾向があるという。
ITマネジメント分野で実施済みのコスト削減策のうち効果が高かったのは、「大型案件化によるディスカウント」「集中購買（機器/ライセンス）」「外部委託における競争入札方式の導入」「ベンダー値引き交渉」だった（図）。ただし、大型案件化や競争入札方式の実施率は3～4割と比較的低い。ITRでは、削減効果の高い施策としてこれらの実施可能性を検討することを推奨している。
