写真●サイボウズの青野慶久代表取締役社長
写真●サイボウズの青野慶久代表取締役社長
[画像のクリックで拡大表示]

 サイボウズは2013年7月16日、同社の業務アプリ開発PaaS「kintone(キントーン)」の機能拡張を実施した。新たに、社外コラボレーション機能「ゲストスペース」を追加。社外の人にゲストIDを発行し、社内向けの非公開システムとはシステム的に隔離されたスペースでデータ共有やコミュニケーションを行うことを可能にした。さらに、カスタマイズ開発機能「JavaScript読み込み」を新規追加するとともに、カスタマイズ開発のための技術情報提供サイトを公開した。

 Kintoneは、同社が運営するクラウドプラットフォーム「cybozu.com」を基盤とする。ユーザー企業ごとに専用のサブドメイン空間を提供するのが特徴だ。今回追加したゲストスペース機能は、企業専用のサブドメイン配下にさらにサブドメイン空間を作り、そこに組織として契約しているメンバー以外を招待する仕組みを提供するというもの。「ゲストユーザーを招待するスペースは組織のサブドメイン空間とは分離しており、アクセス権の設定などを行わなくても、もともと社内の情報にはアクセスできない構造になっている」(同社の青野慶久代表取締役社長、写真)。

 そのほかにも、今回のアップデートでは、JavaScriptによるカスタマイズに正式対応した。新機能の「JavaScript読み込み」により、条件書式・自動採番・経過年数の自動計算をはじめ、顧客の個別のニーズに柔軟に対応可能になった。また、同日、カスタマイズ開発のための技術情報提供サイ「cybozu.com developers」も公開した。

「年内にはForce.comに追いつく」

 青野社長によれば、cybozu.comの有料契約者数は同月時点で4000社を超え、月間200~300社のペースで増加を続けているという。「年内には、米Salesforce.comの契約者数に追い付くと予想している」(青野社長)。cybozu.comは、kintoneの基盤だけでなく、グループウエアサービス「サイボウズ ガルーン」や「サイボウズ Office」、パートナー企業による業務アプリケーションの基盤ともなっている。

 また、kintoneの有料契約者数は6月時点で700社に到達。「サービス開始当初は中小企業の顧客が多かったが、この半年間で、大企業における部門利用が増加した」(青野社長)としている。