米Appleが、3Dモーションセンサーを手がけるイスラエル企業の買収を検討していると複数の海外メディア(米The Verge英Guardian米SlashGearなど)が、イスラエルの経済紙Calcalistの記事を引用して、現地時間2013年7月16日に報じた。

 それによるとAppleは、PrimeSenseという企業に買収提案を行った。Appleの提示額は2億8000万ドル。Appleのエンジニアリング担当シニアマネジャーらが同年7月初めにPrimeSenseを訪れて交渉を行ったが、協議はまだ初期段階にあるという。

 PrimeSenseは、米Microsoftのジェスチャー入力コントローラー「Kinect」の初代機に技術を提供した企業。Appleはこの買収を通じ、将来のiPhoneやiPad、Mac、Apple TVといった製品向けのインタラクティブな入力手段を検討している可能性があると海外メディアは伝えている。
 
 PrimeSenseは、台湾ASUSTeK Computerのノートパソコン向けユーザーインタフェース装置や、米Matterportの屋内空間用3Dスキャナー、米iRobotの遠隔治療アシスタントロボットなどに技術を提供している(関連記事)。

 なおGuardianによると、Appleはイスラエルに3カ所の開発拠点を持っている。1つは2011年に買収したフラッシュメモリーメーカーのAnobitで、同国中西部の都市、ヘルツリーヤに開発センターがある。2つ目は北西部の都市、ハイファにある開発センターで、ここで「A」シリーズプロセッサを手がけている。3つ目は中央地区のラナンナという都市の施設。こちらには米Texas Instrumentsの元スタッフが常駐しているという。