日本オラクルは2013年7月16日、中堅企業向けERP(統合基幹業務システム)パッケージ「JD Edwards EnterpriseOne(JDE)」に、即時のデータ分析に基づいた販売情報を営業担当者に提供する「JD Edwards EnterpriseOne In-Memory Sales Advisor」と、世界各国で展開しているプロジェクトの状況を即時に一覧できる「JD Edwards EnterpriseOne In-Memory Project Portfolio Management」の2種類のアプリケーションを追加すると発表した。両アプリケーションともデータベース専用機の「Oracle Exadata」やクラウド環境向け専用機の「Oracle Exalogic Elastic Cloud」といった、ハードウエアとソフトウエアが一体化した「エンジニアドシステム」を動作環境としていることが特徴だ。

 In-Memory Sales Advisorは、JDEで処理する製品・顧客ごとの受注履歴や取引量、在庫などを即時に分析し、販売時点で利益率を最大化できる製品の組み合わせや価格などを営業担当者に提示する機能を持つ。コールセンターの受注担当者が顧客と会話をしながら値引き交渉をしたり、営業担当者が取引先で顧客と会話をしながら最適な価格を提示したりする、といった使い方を想定している。

 In-Memory Project Portfolio Managementは、建設や不動産、エンジニアリングなど世界各国で数多くのプロジェクトを展開する企業向けのアプリケーション。通貨が異なるなど条件が違うプロジェクトの採算性を即時分析し、予算と実績の差異や進捗などをグラフ化して提示する。「これまでのERPのプロジェクト管理機能は個々のプロジェクトの支援が主で、複数の条件の異なるプロジェクトを横断的に分析するといった機能は提供できていなかった」と米オラクルでJD Edwards担当のグループバイスプレジデントを務めるライル・エクドール氏は説明する。

 In-Memory Sales Advisor、In-Memory Project Portfolio Managementとも動作にはOracle ExadataとOracle Exalogic Elastic Cloudが必要になる。「In-Memory」と製品名称についているのは、Oracle ExadataとOracle Exalogic Elastic Cloudがインメモリー技術を採用しているためだ。エクドール氏は、「新しい2種類のアプリケーションは、エンジニアドシステムの処理能力を利用して初めて実現できる機能だ」と強調。今後、「業種別に必要な機能をIn-Memoryシリーズとして提供していく」とした。