米Microsoftは現地時間2013年7月11日、大規模な組織再編計画を発表した。これまでWindowsやOffice、サーバーといった製品ごとに分けていた組織体制を廃止し、新たにエンジニアリング、研究開発、マーケティングなど機能ごとの部門を設置する。MicrosoftのSteve Ballmer最高経営責任者(CEO)は全従業員に宛てた「1つのMicrosoft」と題した書簡で、部門ごとに異なる戦略の集まりでなく、1つの戦略の下、全従業員が結束することの重要性を強調。「より迅速で効率がよく、機能性が高い組織体制で技術革新を進める必要がある」と訴えた。

 Microsoftの組織再編計画については、複数の海外メディアが伝えていた。Ballmer CEOは昨年10月に株主に宛てた書簡で「コンピューティングデバイスとインターネットベースのサービスに注力していく」という戦略を発表していたが、新たな組織体制はそれを色濃く反映するものになると言われていた(関連記事:MicrosoftのBallmer CEO、経営幹部の役職再編を計画、米メディアの報道)。

 Ballmer CEOが11日に明らかにした新体制では、エンジニアリング、マーケティング、戦略および研究開発、ビジネス開発、財務、法務、人事といった部門を設ける。エンジニアリング部門は、「OS」「デバイスおよびスタジオ」「アプリケーションおよびサービス「クラウドおよびエンタープライズ」の4つを設置する。またビジネスソリュー ションのDynamicsは単独部門となる。Kevin Turner最高執行責任者(COO)は販売、マーケティング、IT、ライセンス事業などを統括する。

 このうち、これまでWindows Phoneを担当していたTerry Myerson氏は新たなOS部門のトップに就く。またWindows担当コーポレートバイスプレジデントだったJulie Larson-Green氏はデバイス部門、オンラインサービス担当だったQi Lu氏はアプリケーションおよびサービス部門、サーバー部門担当だったSatya Nadella氏はクラウドおよびエンタープライズ部門のトップに就く。

 このほか、Windows担当CMO兼CFOだったTami Reller氏はマーケティング部門を統括する。Skype担当だったTony Bates氏はビジネス開発部門のトップとなり、OEMや半導体メーカー、開発者、フィンランドNokia、米Yahoo!などの主要パートナー企業との連携業務を担当する。

[Microsoft、Steve Ballmer CEOの書簡]