デロイトトーマツコンサルティングは2013年7月11日、企業のデジタル化を支援する新事業「Deloitte Digital」を開始すると発表した。スマートフォンを利用したマーケティングや、スマートフォンと基幹系の連携による社員の生産性の向上などの領域で、コンサルティングサービスからシステム開発までを提供する。「これらの領域は大規模システム開発が多かった当社では、十分に提供できていなかった。一方で企業のデジタル化は進んでおり、需要は高まっている」とDeloitte Digitalの責任者を務める井島裕昭パートナー執行役員は話す。

 Deloitte Digitalは、同社が6月1日に買収したベンチャー企業ねこじゃらしのモバイル向けアプリケーション開発事業の人員を中心に25人で構成する。「デザイナーやプロジェクトマネジャー、モバイル向けの開発を得意とする技術者などが、ねこじゃらしから当社に移った」と井島パートナーは話す。DTCは「Deloitte Digitalを開始するために、企業向けのサービスを提供できるベンチャー企業を1年以上かけて探した」(井島パートナー)という。

 Deloitte Digitalでは基幹系システムの開発のように要件定義から設計、開発といったプロセスではなく、開発しながら要望を聞き機能を固めていくアジャイル開発の要素を取り入れたシステム開発などを提供する。「従来の方法では提供できなかった、Webマーケティングのグローバル展開支援やスマートフォンやタブレットを利用した業務プロセス変革といったサービスを提供していく」と井島パートナーは説明する。

 デロイトグループでDeloitte Digitalを提供するのは、オーストラリア、米国、英国に続いて日本が4カ国目となる。従来のデロイトグループの事業とは異なるサービスを提供するため、Deloitte Digitalのブランドを利用しているという。日本のDeloitte Digitalの売り上げ目標は2014年9月期に5億円、2018年9月期に70億円としている。