米Gartnerは現地時間2013年7月10日、世界パソコン市場に関する調査結果(速報値)を公表した。それによると、同年第2四半期の世界パソコン出荷台数は7600万台となり、前年同期と比べ10.9%減少した。前年割れは5四半期連続。パソコン市場の歴史で最も長く前年割れが続いているという。第2四半期は世界のすべての地域で出荷台数が落ち込んだ。そのうちアジア太平洋地域は5四半期連続で減少、EMEA(欧州、中東、アフリカ)は2四半期連続で2桁減となった。

 2013年第2四半期のメーカー別出荷台数順位を見ると、中国Lenovo Group(聯想集団)が1267万台で、16.7%のシェアを獲得してトップとなった。Lenovoは、2012年第3四半期に初めて米Hewlett-Packard(HP)を抜いて1位になったが、その後の2四半期は2位に後退していた。Lenovoの当期の出荷台数は前年同期比0.6%減と、減少に転じたものの上位5社の中で最も減少率が小さい。

 Lenovoに次いで出荷台数が多かったのはHPで、同社の台数は1240万台、シェアは16.3%。出荷台数は前年同期から4.8%減少した。3位は米Dellの898万台(シェア11.8%)で、この後台湾Acer Groupの630万台(同8.3%)、台湾ASUSTeK Computerの459万台(同6.0%)と続いた。このうちDellの前年同期比減少率は3.9%減と小幅にとどまったが、AcerとASUSTeKはそれぞれ35.3%減、20.5%減と大きく落ち込んだ。

表1●世界市場におけるベンダー別の出荷数の推定(出所:米ガートナー)
Company2Q13 Shipments2Q13 Market Share (%)2Q12 Shipments2Q12 Market Share (%)2Q12-2Q13 Growth (%)
Lenovo12,677,26516.712,755,06814.9-0.6
HP12,402,88716.313,028,82215.3-4.8
Dell8,984,63411.89,349,17111.0-3.9
Acer Group6,305,0008.39,743,66311.4-35.3
ASUS4,590,0716.05,772,0436.8-20.5
Others31,041,13040.834,675,82440.6-10.5
Total76,000,986100.085,324,591100.0-10.9

 Gartnerの主席アナリスト、北川美佳子氏によると、パソコン市場の縮小はインストールベース(利用台数)の減少と直接的な関連があるという。「先進国、新興国ともに、消費者市場を中心にタブレット端末が低価格パソコンに取って代わっている」(同氏)という。

 ただし米国市場を見ると当期の出荷台数は1497万台となり、前年同期比1.4%減にとどまった。前の四半期比では8.5%増加している。北川氏によるとこれは法人市場の出荷台数が堅調に伸びていることが要因。法人向けパソコンの主要メーカーであるHP、Dell、Lenovoの米国市場における出荷台数成長率はいずれも業界平均を上回っている。「Windows XPのサポート終了を前に買い替えが活発になった可能性がある」と北川氏は分析している。

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