パソコンの単価は2012年10月から23%上昇した
パソコンの単価は2012年10月から23%上昇した
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米アップルが値上げをした影響でiPadの販売台数が急激に落ち込んだ
米アップルが値上げをした影響でiPadの販売台数が急激に落ち込んだ
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 BCNは2013年7月10日、大手家電販売店のPOSデータによる販売動向の説明会を開催した。4月から6月にかけては、家電やパソコンの単価が上昇基調となる一方で、販売台数が伸び悩むという状態が続いている。特にパソコンはWindows 8の登場以降、価格が急激に上昇しており、需要が低くなっているという傾向がデータ上で顕著に表れているという。

 パソコンの平均単価はWindows 8が発売となった2012年10月の時点で6万7800円だったのに対し、2013年6月では8万3400円と23%の上昇となった。Windows 8の登場によってタッチパネル搭載機の比率が高まったことが要因の一つ。「急激に円安になっているので、ハードディスクやメモリーの単価が上がっている。その影響も大きい」(BCNアナリストの道越一郎氏)と分析する。

 6月の販売台数は2010年6月と比べて86%で、ここ3年で最低の水準となっている。単価が上昇していることに加え、「低い予算で購入できるタブレットにユーザーが流れている可能性もある」(アナリストの森英二氏)。

 タブレットは、米アップルが円安のため5月末に値上げをした影響が顕著に現れた。2012年12月時点を起点としたデータと比べると、「iPad」の販売台数は5月末には駆け込み需要で155%と急激に増えたものの、以降は70%前後に落ち込んでいる。

 問題は「アップル製品が落ちたといっても、そのほかのAndroidタブレットは伸びておらず、市場がしぼんでいる」(森氏)こと。市場拡大に向けては、アップルや米グーグルのNexusシリーズのほかに、「第3勢力となる有力製品が必要」という。

 スマートフォンの分野では、NTTドコモの夏モデルの販売構成比を見ると、ソニーモバイルコミュニケーションズ「Xperia A S0-04E」が60%、韓国サムスン電子「GALAXY S4 SC-04E」が28.4%で、その他の機種は5%以下。ツートップとしてドコモが掲げた推奨機種が高い比率を占めた。

 このほか、画面の大型化が進むテレビや、一眼レフが人気となっているデジタルカメラも平均単価は上昇する一方で、販売台数は減少する傾向がある。