富士通総研と富士通は2013年7月10日、家庭におけるエネルギー管理システム「HEMS」(Home Energy Management System)の開発に着手すると発表した。

 HEMSとは、エネルギーを消費する住宅内の機器や、そのエネルギー量を測るメーター機器などをネットワークに接続することで、稼働状況の監視や遠隔操作での自動制御などができるシステムのこと。富士通総研は、環境省による「平成25年度各家庭のライフスタイルに合わせた需要サイドの低炭素化サポートシステム普及促進実証事業」を受託しており、同事業の成果を活用してHEMSを開発する。

 今回開発するシステムは、複数の家電を組み合わせた制御が可能となるものだ。例えば、部屋が適温になった場合、エアコンの電源をオフにして、代わりにサーキュレーターを回すなど、家庭内の家電をネットワーク接続することで種類やメーカーの異なる家電を組み合わせて制御する。

 また、年齢層やパーソナリティ、生活スタイルなど、世帯や個人で異なる電力使用のパターンをセンサー情報から把握して家電を制御するほか、自動制御を実行する前に利用者に対して、問いかけのメールを発信し、承諾した場合のみ実行するなど、人の暮らしに配慮した適切な省エネ制御を行うという。

 今回の実証事業では、HEMSに特化した機器を使用せず、パソコンでHEMSを実現する。富士通の個人向けクラウドサービス「My Cloud」をコア技術として活用し、複数の家電や住設機器を一元的に自動制御するという。また、実証事業でのノウハウを蓄積し、今後My Cloudの機能として順次HEMS環境を構築できるようにするほか、富士通のスマートシティビジネスへの活用も検討していくという。