米Zyngaの最高経営責任者(CEO)に就任したDon Mattrick氏は、米Microsoftの幹部時代にZyngaの買収を試みていた、と複数の米メディア(BloombergThe VergeCNETなど)が現地時間2013年7月8日に報じた。

 Bloombergによると、交渉が行われていたのはMattrick氏がMicrosoftのインタラクティブエンターテインメント事業担当プレジデントに就いた2010年。Mattrick氏は、「FarmVille」などの人気ソーシャルゲームを持ち、当時Facebook上で膨大な数のユーザーを抱えていたZyngaを買収することで、Xboxのコンテンツラインナップを拡充しようとしていた。結局買収交渉は打ち切りとなったが、Mattrick氏とZynga創業者であるMark Pincus氏の友人関係はこの時に深まった、とBloombergは伝えている。

 Zyngaは、2013年7月1日にMattrick氏をCEOに任命したと発表しており、同氏は7月8日付で正式にCEOに就任している(関連記事)。今後は創業者のPincus会長兼最高製品責任者(CPO)とともに、業績が低迷しているZyngaの経営を立て直しを図る。

 なおThe Vergeによると、Mattrick氏がZyngaに移籍した理由の1つにはMicrosoftの役職再編計画があるという(関連記事)。Mattrick氏がこれまで開発を手がけてきた次世代ゲーム機「Xbox One」は今年11月に発売される予定だが、同部門の責任者である同氏の退任はその4カ月前となった。MicrosoftはMattrick氏を新設するハードウエア事業の責任者に任命しようと考えていたが、Mattrick氏はより高い役職を希望していたとThe Vergeは伝えている。