IDC Japanは2013年7月8日、国内企業ユーザーを対象としたクラウドの認知度、利用・導入率の調査結果を発表した。「利用中」「利用を前提に検討中」と回答した企業が堅調に増加したほか、「興味があり、情報収集中」と回答した企業が4社に1社へと急増しており、今後のクラウド市場の成長を促進する要因になるとしている。

 今年4月に約2900社の企業ユーザーを対象に実施した調査。パブリッククラウドを理解した上で「利用中」は21.1%(前年調査19.1%)、「利用を前提に検討中」は13.4%(同13.7%)で、ほぼ3社に1社が利用あるいは利用する方向だった。

 一方、利用前提まではいかないものの「興味があり、情報収集中」は23.1%(同6.5%)と4倍近くに急増した。昨年の調査では、「検討したが利用しないことに決定」の割合が26.5%だったが、今年は7.8%に減少しており、逆転したかっこうだ。

 IDC Japanは、昨年の傾向には、2011年の東日本大震災でIT-BCP(ITの災害対策を含めた事業継続強化)実現のため、クラウドをにわかに検討したものの、技術的・管理的な課題によって短期間では利用・導入ができないと判断する企業が多かったことが背景にあると指摘。今年の調査結果は、クラウドの課題を理解した上で、情報を収集する企業が増加したことを表すとみている。

 また、ベンダーに対しては「顧客志向によるソリューションの強化」「技術志向によるプラットフォームの強化」を進めることで、顧客の意識を「守り(削減による経営の効率化)」から「攻め(投資による事業拡大)」に変化させることが重要とアドバイスしている。