NECは2013年7月8日、電子カルテシリーズ「MegaOak」のラインアップを拡充し、300床以上の病院を対象にしたノンカスタマイズ型の電子カルテシステム「MegaOak/iS」を同日、発売すると発表した。出荷は11月からの予定。

 同システムは、電子カルテの導入や運用時の作業負担を軽減するため、NECがあらかじめソフトやマスターをインストールして病院へ納入する「ノンカスタマイズ、マスタープリセット」方式で提供する。NECでは、同様の規模の病院を対象としたカスタマイズ型の電子カルテシステム「MegaOakHR」も提供している。

 MegaOak/iSは、医師の指示を起点とした病院の業務プロセスに対応している。医師が直感的に操作できることを目指した「クリニカルデスクトップ機能」では、診療科や疾患ごとに画面を設定でき、診療内容に合わせた「指示」「カルテ入力」「文書作成」などを1画面に集約し、入力時の負担を軽減している。

 また、医療スタッフ間のコミュニケーションを支援する「ワークアシスタント機能」では、医療スタッフによるメモや検査結果の通知などをさまざまな端末から入力、閲覧できるほか、検査結果の異常値など対応が必要な患者が発生した場合にアラートで通知する機能も装備している。

 ほかにも、検査結果や投薬、注射の状況など参照したい項目をピックアップして一覧表示する「モニタリング機能」、カルテ記事やサマリーレポートなどをマップ形式で表示する「ヒストリーマップ機能」、院内の全患者のカルテからキーワード検索する「全文検索機能」などが備わっている。スマートフォンやタブレット端末での利用も可能で、院内通話やナースコールとの連携もできるようになっている。

 MegaOak/iSの価格は、300床規模の場合で2億1000万円(税別)からとなる。NECは、MegaOakHRと合わせ、今後3年間で300床以上の大規模病院における電子カルテシステムのシェア40%を目指すとしている。