表●業界別、都道府県別の組織内違法コピーの通報数
表●業界別、都道府県別の組織内違法コピーの通報数
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 BSAは2013年7月5日、6月に寄せられた組織内におけるソフト違法コピーに関する通報が、1カ月当たりの通報数で過去最高の145件だったと発表した。開始した6月第1週時点で、2013年1月1日~5月31日の平均の約9倍に通報数が急増していた(関連記事:違法コピーソフトの通報件数、報奨金制度開始の第1週ワーストは流通業界 )。業界別の内訳では販売/流通業、製造業、ソフトウエア開発、サービス、ITなどが上位となっている()。

 BSAは2013年6月1日から7月31日までの期間限定で「報奨金プログラム」を実施している。組織内におけるソフトの違法コピーについて、情報提供者に最大100万円を提供するものだ。今回の報奨金プログラムの対象は公的機関を除く組織で、オフィスソフトや画像処理ソフト、CAD、会計ソフトなどのビジネスソフトを違法コピーしているケースである。

 違法コピーを利用していた企業とソフトベンダーの和解金の額に応じて、情報提供者に報奨金が支払われる。報奨金が100万円になる可能性があるのは、和解金が2000万円を超える場合。和解金の金額は「一般に正規品の小売価格の1.1倍と遅延損害金を合計した額となる」(BSAの顧問弁護士であるTMI総合法律事務所の石原修弁護士)。

 遅延損害金は法定金利である年率5%(単利)で計算するため、「発覚が遅れると遅延損害金の額は馬鹿にできない額になる」(石原弁護士)。損害遅延金が発生する起点は「違法行為の開始時点」であり、「発覚時点」ではない点に注意が必要だ。違法状態が長く続いた組織だと、和解金の額が大きくなりがちである。

 なお、BSAは組織内におけるビジネスソフトの違法コピーを受け付ける。ゲームや音楽ソフト、映像ソフト、コミック電子データなどの“海賊版”は、異なる組織であるコンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の担当領域となっている。