米Dellがウエアラブルコンピュータの開発を検討していると、複数の海外メディア(The Next WebTechCrunchSlashGearなど)が現地時間2013年7月4日に、英The Guardianの記事を引用して報じた。

 Dellのパソコン部門グローバルバイスプレジデントのSam Burd氏がThe Guardianのインタビューで、「アイデアを探索している」と述べたという。Burd氏は「興味深いのは、コンピュータがどんどん小さくなっていること。それが腕にあれば非常に面白い、訴える力もある」などとしており、Dellは腕時計型端末の開発を検討しているようだと海外メディアは伝えている。

 ただ同氏は次のようにも述べており、同社がウエアラブルコンピュータ全般について検討していることも示唆している「今後5年先を見た場合、デバイスやそのフォームファクタは変化しているだろう。そのころでも机上の“静的な”コンピュータは必要だろうが、本当に求められるのはモバイルになる。それが、Google Glassや腕時計型端末といったすでにあるウエアラブルコンピュータなのかということについて、さまざまな議論がある。我々はコネクテッドデバイスについて広く注目していく」

 Dellが先ごろ公表した2013年2~4月期の同社製パソコンの売上高は前年同期比9%減の89億2000万ドルだった。消費者向け製品の販売が低迷している(関連記事1)。また市場調査会社の米IDCが予測する2013年の世界パソコン出荷台数は3億2190万台で、前年から7.8%減少する見通し。2012年の前年比減少率4.0%を大きく上回るとの予測だ(関連記事2)。そうした中、Dellはパソコン以外の分野で収益源を模索しているのではないかと海外メディアは伝えている。

 なおDellのMichael Dell最高経営責任者(CEO)は株式の非公開化を目指している(関連記事3)。これについてBurd氏はThe Guardianのインタビューで「四半期ベースの業績報告プロセスは、変革の速度を高めるための冷静な意思決定を困難にする。Michael Dellはこれを廃止したい考え」と述べている。