2013年7月1日に会社更生手続きを完了したばかりのウィルコムが7月4日、新商品・新サービス発表会を開催した。同社の宮内謙社長(写真1)は「ウィルコムは航空会社で言う“LCC”と同じポジション」と説明。低価格かつユニークな新商品群を立て続けに発表した(関連記事:ウィルコムの会社更生手続きが終結、ソフトバンクが連結子会社化へ)。

PHSアダプターで他社Androidスマホを通話定額化

写真1●ウィルコムの宮内謙社長(右)と、CMキャラクターを務める高田純次氏(中央)、佐々木希さん(左)
写真1●ウィルコムの宮内謙社長(右)と、CMキャラクターを務める高田純次氏(中央)、佐々木希さん(左)
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写真2●PHSアダプター「だれとでも定額パス」(右側のカード状のデバイス)<br>左のスマートフォンはドコモ製のAndroid端末。
写真2●PHSアダプター「だれとでも定額パス」(右側のカード状のデバイス)
左のスマートフォンはドコモ製のAndroid端末。
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 まず紹介したのが、クレジットカードサイズのPHSアダプターである「だれとでも定額パス」(WX01TJ)だ(写真2)。これは、他社のAndroid端末(OS 4.0以上)に専用アプリをインストールし、Bluetooth経由でこのPHSアダプターと接続することで、AndroidスマホからでもPHS経由で受発信できるようになるサービス。基本使用料月額490円に加えて、オプションとして月額980円の「だれとでも定額」に加入することで、ウィルコム同士が24時間通話無料に、さらに他社携帯電話や固定電話1回当たり10分以内の国内通話が月500回まで無料となる。発売は7月下旬という。

 同社が2010年12月に開始し、それ以降、連続して純増を続ける結果となった、起死回生サービス「だれとでも定額」を、同社以外のスマホ上でも可能にしたサービスと言える(関連記事:ウィルコムが切り札を手に再スタート)。2台目需要が多いウィルコム回線を、PHSアダプター化することでユーザーは端末を2台持ち歩かなくて済むメリットも生まれる。

 だれとでも定額パスでは、他社スマホをBluetoothのヘッドセットとして子機扱いし、PHSアダプターを親機として扱う形になる。同社の説明員は「例えば法人ユーザーがBYOD(私物デバイス活用)を進めるようなシーンにも向く」と話す。会社側がPHSアダプターを貸与し、従業員が自分持ちのスマホを活用することで、通話の部分を会社持ちに切り分けることが可能になる。ただ、スマホとPHSアダプターをBluetoothで接続する際のプロファイルを新たに開発したため、プロファイルの追加が難しいiPhoneでは今のところ対応していないという。

 なお6月に開催したソフトバンクの株主総会で、孫正義社長が「やりましょう」と発言したソフトバンクモバイル、ウィルコム、イー・アクセス間の通話無料化については、「まだ計算を進めているところ」(宮内社長)と回答。あわただしく現場での対応が始まった様子を見せていた(関連記事:ソフトバンクが株主総会、グループ内の通話無料化提案に「やりましょう」)。

1Gバイト上限の格安スマホプラン、PHSとAXGPのデュアル端末も

 続いて紹介した「迷惑電話チェッカー」(WX07A)もユニークな製品だ。固定電話回線に接続することで、悪質な迷惑電話を光と音声で警告する仕組み。