写真●Express5800/GT110f-Sの外観
写真●Express5800/GT110f-Sの外観
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 NECは2013年7月4日、世界一の省電力をうたう1CPU構成のスリムタワー型PCサーバー機「Express5800/GT110f-S」(写真)を発表した。7月26日に出荷する。サーバーの電力効率(消費電力当たりの性能)を測るベンチマーク試験「SPECpower_ssj2008」で1位(記事執筆現在)となっている。価格(税別)は、14万7500円から。

 CPUに電力効率が良いIntel Xeon E3-1265L v3(4コア/2.50GHz/L3キャッシュ8Mバイト/TDP 45ワット)を1ソケットで採用したほか、電源にはAC-DC変換効率に優れた80 PLUS Platinum電源を採用した。さらに、独自の冷却設計(空冷型)や制御技術を使っているという。

 今回1位の記録を出したSPECpower_ssj2008とは、サーバー機の電力効率を測るベンチマーク試験である。サーバー側Javaアプリケーションの業務トランザクション処理性能を、CPU負荷を段階的に変えながら測る。ベンチマーク値として、消費電力(ワット)当たりの性能(1秒当たりのJavaトランザクション)を算出する。

 今回記録/登録したGT110f-Sのベンチマーク値は、6488である(関連情報:ベンチマーク結果)。一方、これまでの最高記録は富士通が2012年5月に公開した「PRIMERGY TX120 S3p」のベンチマーク値である6109だった(関連情報:ベンチマーク結果)。

 NECが最初に登録した記録は2008年7月のサーバー機「ECO CENTER」で、この時のベンチマーク値は1010。NECのこれまでの最高記録は、2011年12月に登録した「Express5800/E120b-1」の2800だった。今回のベンチマーク値(6488)は、これまでのベンチマーク値(2800)の2倍以上であり、同じトランザクション処理数であれば消費電力が半分以下になることを示している。

 なお、GT110f-Sの出荷(7月26日)と同時に、類似機種として、水冷モデル「GT110f-S(水冷)」(21万円から)と、1Uラックマウント型モデル「R110f-1E」(22万5000から)も出荷する。